第14話:ボダルト王国冒険者ギルド

 大賢者、アースドラゴンをどうすればいい。


 ピロロロロ

 

 売ってください。

 愛が19696になりました。


 大賢者はなんでもこたえてくれるが、質問がめんどうだな。

 

 大賢者、これからする質問はぜんぶ大賢者が俺のききたいことを予想して返事を最後まで考えて答えてくれ。

 愛が10000以下になるまではそれを続けてくれ。


 ピロロロロ

 

 ボダルト王国にいってください。

 冒険者ギルドにいってください。

 アースドラゴンの素材で武器と防具をつくってください。

 残った素材は冒険者ギルドで売ってください。

 売ったお金で土地と食糧を買ってください。

 買った土地に助けた民を住ませてください

 愛が19690になりました。


 一気に質問にこたえてくれるようになって助かった。

 しかも俺のやりたいことを予想してくれるのもありがたい。

 民を助けたいという想いもわかってくれている。


「フォルカー、リヒャルダ、復讐は後回しだ。

 ボダルト王国の冒険者ギルドにいくぞ」


「「はい」」


★★★★★★


「新しいマスクはいいな、じゃあ入るぞ」


「「はい」」


 俺たちはバッハシュタイン王国内で知れ渡っているシルバーマスクをやめて、顔をまもる鉄で作ったフルフェイスをつけることにていた。


 俺が青のフルフェイスで、フォルカーが黒のフルフェイス、リヒャルダが赤のフルフェイスとわかりやすくしている。

 

「おっ、ぎゃははハハハハ。

 なんだそのフルフェイスは。

 弱いやつほど見た目にこだわるが、これはチョッとひどすぎるんじゃねえか」

 

 性格の悪そうな冒険者が俺たちのことをバカにする。

 かわいそうに、新人をいじめるくらいしかやることがないから、こんな昼の時間に冒険者ギルドに残っているのだろう。


「バカは無視しろよ、弱い者いじめは恥ずかしいからな」


「「はい」」


 別に冒険者として依頼を受けたいわけではない。

 冒険者になることで、この国で物の売買をしやすくするためだ。

 アーベントロート公爵領からボダルト王国に多くの民を逃がしたから、俺たちもアーベントロート公爵領から逃げてきたことにすればいい。


「俺たちはバッハシュタイン王国のアーベントロート公爵領から逃げてきた、冒険者として働きたいから登録してくれ」


「ぎゃははは、こいつらもアーベントロート公爵領の難民だってよ。

 さっきつかまえて奴隷屋に売った親子と一緒だな」


 グワシャ。


「おい、お前ら、こいつのように顔をつぶされたくなかったら、今言っていた奴隷屋に連れていけ。

 それと受付、この冒険者ギルドでは冒険者に奴隷狩りをさせているのか。

 返事によっては冒険者もギルド職員も皆殺しにするぞ!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る