第12話:愛3
「うれしいです、ヴェルナー様。
幼い頃から、ずっと、ずっと、ずっとお慕いしておりました。
やっとこの想いを告白することができました。
とても幸せです、ヴェルナー様」
ピロロロロ
愛が17257になりました。
大賢者スキルをつかわれますか。
一気に愛がふえたな。
ありがたいことに、リヒャルダの愛がとても大きいのだろうな。
本当はこのまま愛し合いたけど、そうはいかないんだよな。
フォルカーも困った奴だからな。
ここで助けにいかないと、リヒャルダとの愛までおかしくなってしまう。
「リヒャルダ、このまま愛し合いたいのだが、そうもいかない。
フォルカーもリヒャルダと同じで信じられないくらい道をまちがえるからな。
一番の問題はリヒャルダと違って壊滅的に運が悪いことだ。
道に迷ったうえに井戸に落ちて死ぬかもしれないくらい運が悪い。
ここで愛し合っている間にフォルカーが死んでしまったら、一生悪い夢を見てしまうからな」
「本当ですね、兄上なら道に迷ったうえに馬にけられて死ぬかもしれません。
急いで兄上を追いかけましょう」
リヒャルダも本気で心配しているな。
こうしなければいけない事は最初から分かっていたんだ。
一日でも早く俺の本心をリヒャルダに伝えたかったし。
誤解でリヒャルダを傷つけるのも嫌だったし。
信じられないくらい道に迷うこの兄妹は、どちらも1人にできないし。
「リヒャルダの馬は俺の馬とヒモでつないでおくんだよ。
それに絶対に俺の前を走るんだ。
なにがあろうと俺の後ろに行ってはいけないよ。
俺の見えない場所にいるのは心配だからね。
歩いているのなら直ぐに探しだせるけど、馬で走っているときに迷子になられては、さがすのが大変だからね」
「はい、ごめんなさい、ありがとうございます」
優しく抱きしめてあげると、そっと抱きしめかえしてくれた。
ピロロロロ
愛が19726になりました。
大賢者スキルをつかわれますか。
本当に残念だけど、ここでゆっくりと愛し合えないだよなぁ。
大賢者、フォルカーに一番早く追いつける道順をおしえろ。
ピロロロロ
このまままっすぐ進んでください。
愛が19725になりました。
「リヒャルダ、このまままっすぐだ」
「はい」
★★★★★★
ピロロロロ
右の森に入ってください。
愛が19706になりました。
おい、おい、おい、なんでこんな場所で森に入るんだフォルカー。
道を間違えるなんて話ではないぞ。
いや、道を間違えたのではなくて、何かに襲われたということもある。
フォルカーの運の悪さなら、こんな普通の森でドラゴンやジャイアントに出会うことだってあるんだ。
「リヒャルダ、急いで森をさがすぞ」
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