第11話:愛2

 大賢者、愛をためる方法を教えろ。


 ピロロロロ


 女性から直接愛情を向けられることです。

 愛が11293になりました。


 大賢者、具体的に愛をためる方法を教えろ。


 ピロロロロ


 女性からキスをしてもらうことです。

 女性からエッチなことをしてもらうことです。

 愛が11291になりました。


 大賢者、俺からエッチなことをしても愛はたまるのか。


 ピロロロロ

 身勝手なエッチは愛がたまりません。

 愛が11290になりました。


 大賢者、俺から女性にエッチなことをはじめて、女性が俺に愛を返してくれたときはどうなのだ。


 ピロロロロ

 女性の愛情の分だけ愛がたまります。

 愛が11289になりました。


 大賢者、最初に愛がたまったのはリヒャルダが俺を愛してくれたからか。


 ピロロロロ


 そうです。

 愛が11289になりました。


 これは、リヒャルダのお礼を言わないといけないない。

 それに、できればまたリヒャルダから愛情をもらいたい。

 フォルカーには悪いんだが、ジャマだな。


★★★★★★


「フォルカー、そろそろ王都にいる三人に復讐しようと思う。

 そこで王都にもアジトを作ろうと思うだが、探してきてくれないか」


「分かりました、ではリヒャルダと一緒に行ってきます」


「いや、今回はフォルカー1人で行ってきてくれ」


「……ヴェルナー様、いくら乳妹のリヒャルダでも男と女です。

 2人だけにはさせられません」


 やっぱりフォルカーならそう言うよな。


「だが俺が1人で王都に行くと言えば反対するのだろ」


「反対します、そんな危険なことは賛成できません」


「とうぜんリヒャルダを1人で王都に行かせるのもダメなんだよな」


「もちろんです、危険すぎます」


「だったら俺が1人ここに残るのは危険じゃないのか」


「ここは3人で作ったアジトです。

 そう簡単にあいつらに見つけられたりはしません」


「だが万が一という事はあるぞ。

 俺が1人でここに残るよりも、フォルカーが1人で王都に行くほうが、俺の危険は少ないと思うのだがな」


「それはそうなのですが、家臣として乳兄として、ヴェルナー様には高貴な王女殿下と結婚していただきたいのです」


 おい、こら、フォルカー。

 俺を王子様にあこがれる娘と同じだと思ってるのか。

 俺が王女様にあこがれてインゲボー王女と婚約したとでも思っているのか。

 それともお前に王女様のあこがれる気持ちがあるのか。

 

「あのなぁ、俺は公爵家の公子だぞ。

 令嬢とは違うのだぞ。

 フォルカーがリヒャルダの事を心配するのなら分かるが、俺の女性関係を心配してどうするんだ」


「しかしヴェルナー様は公爵家の正統な跡継ぎです。

 争いになるような事はやめていただかないといけません。

 家臣の娘のリヒャルダの子供が年上で、王女殿下や公爵令嬢の子供が年下では、争いがおきてしまいます」


 フォルカーは本気で俺や公爵家のことを心配してくれているのか。

 それとも妹がかわいくて、俺があきらめるような話しかたをしているのか。


「そんな心配はいらん。

 俺が愛しているのはリヒャルダだけだ。

 どこの国の王女から求婚されようと断る。

 だから安心してフォルカー1人で王都に行ってこい」


「はっ、王都に行ってまいります」

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