第6話:最高の復讐
大賢者、ミヒャエルとインゲボーが一番苦しむ復讐方法を教えろ
ピロロロロ
恐怖感を与えることです。
周りの人間から殺していくことです。
愛が10513になりました。
「フォルカー、リヒャルダ、次はトラウゴットの父親、ガンビーノを殺す。
アーベントロート公爵領に入るが、二人の実家には行けない。
悪いが二人が生きている事もつたえられない」
フォルカーとリヒャルダは、俺を助けようとして死んだことにしておかなければ、二人の両親が殺されてしまうかもしれないのだ。
「分かっています」
フォルカーが平然とした表情でこたえるが、ウソだ。
目を見れば心の中の苦しみがわかる。
不器用でぶあいそうだが、ほんとうは心の優しい奴なんだ。
「平気です、ヴェルナー様」
リヒャルダも平気そうな表情で返事をしてくれるが、これもウソだ。
リンとした強さを見せてくれるリヒャルダだが、内心はとてもせんさいで優しい。
思わず抱きしめたくなってしまう。
★★★★★★
俺たちはアジトの1つからアーベントロート公爵領に移動した。
ミヒャエルと両親は王都で毎日遊んでいる。
貴族としての責任や誇りなどまったくない。
領地の事は全部ガンビーノにまかせている。
ガンビーノはそれをいい事にやりたいほうだいだ。
(城に潜入するぞ)
(はい)
幼い頃から兄妹同然に育ったフォルカーとリヒャルダだ。
目と目で合図するだけで何がしたいのかわかる。
こまかな事は手や指の合図でつたえる。
乳母や侍女の眼を盗んで遊ぶために覚えたモノが今役にたっている。
「まあ、ガンビーノ様、それは少し無理なのではありませんか。
クリューガー家にはなんの罪もありませんが」
城に潜入して最奥にある領主が住むはずの場所に入りこんだ。
本当なら家臣のガンビーノは入ってはいけない場所なのだ。
しかし平気で自分の部屋のように使い、取り巻きと愛人をはべらせている。
「やかましわ。
わしのかわいいトラウゴットが殺されたんだぞ。
誰かを殺さねばやってられんわ」
息子もクソなら父親もクソだな。
親子そろって人間とは思えない極悪人だ。
「しかし、相手は元騎士団長と元戦闘侍女頭ですよ。
不意討ちするにしても多くの犠牲者がでてしまいます。
ひとつ間違えばガンビーノ様が殺されるかもしれません。
憂さ晴らしならいつものように領民をなぶり者にしましょう。
私も一緒にやらせてもいますよ」
取り巻きも同じようなクソだな。
「ちっい、それはお前が若妻をなぶり者にしたいだけだろ」
「いやぁあ、分かりますか。
以前トラウゴット様に教わってから、あまりにも楽しくてやめられなくなってしまいました」
「やかましいわ、トラウゴットのことは口にするな」
もう聞いていられない、今から復讐の時間だぜ。
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