第1章

第5話:復讐開始

 俺がトラウゴットに殺されかけてから八カ月、ようやく復讐の時が来た。

 大賢者を利用して魔力をふやす方法を知り、それを使ってばく大な魔力をえた。

 復讐に必要な魔術もすべて手に入れた。

 フォルカーが失った眼も腕も完全に再生させた。

 後はあいつらをできるだけ苦しめて殺すだけだ。


「フォルカーはトラウゴットの手先が逃げだそうとしたら殺してくれ。

 トラウゴットは俺の手で殺す」


「分かりました」


「リヒャルダは俺の背中を護ってくれ」


「はい、お任せください」


 俺とリヒャルダはトラウゴットが襲おうとしてる村に先回りした。

 俺を殺したことて手に入れた王家準男爵の地位を振りかざして、領内の娘や若妻を親兄弟や夫の前でなぶり者にしているという。

 俺を殺そうとした事をのぞいても絶対に許せない極悪人だ。


「いやぁああああ、やめて、ゆるして。

 あなた、子供たちをどこかにやって」


「その場にいろ、そこから動いたら母親を殺すぞ」


 なんとか間に合ったか。

 いや、もうずっと以前から領民は地獄の苦しみを味わっていたのだな。

 直ぐに復讐の機会を与えてやるからな。


「民を、女子供を苦しめるような奴はぜったいにゆるさねぇえ。

 てめえら人間じゃねぇえ、ぶち殺してやる」


 俺はそう口にすると真っ先にトラウゴットを正面から殴りつけた。

 俺だとトラウゴットに分からせたうえで復讐したい。

 だがまだ俺が生きている事は弟や王女、父に知られるわけにはいかない。

 だから二度と話せなくなるように顎を殴って粉々にする。


「ウソつきに舌はいらないな」


 俺はそう言うとトラウゴットの舌を指でひきだして潰してやった。


「ウギャアアアアアア」


 顎が粉々になっているから、変な声で泣きわめくが気にしない。

 歯がぜんぶ折れとんでいるから噛まれる心配もない。

 だけど怒りのあまり直ぐにトラウゴットを舌をひきちぎってしまった。


「うぐぅぐぎゃアアアアアア」


 ひきちぎられた舌から大量の血がふきだしたからだろう。

 くぐもった悲鳴をあげる。

 あまりの痛みに地面のうえをのたうちまわっている。

 周りにいた村人があぜんとして表情で俺たちを見ている。

 もう少し待っていてくれ、直ぐにお前たちにも復讐させてやるからな。


「おきろ、神をおそれぬ極悪人」


 俺は痛みでのたうちまわるトラウゴットの頭をつかんで、顔を近づけた。


「あっう、ああううああうう」


 ようやく俺が誰だか分かったようだ。

 殺したと思っていた俺にぶちのめされる気分はどうだい、トラウゴット。

 まずは眼を1つ潰してやるよ。


「うぐぅぐぎゃアアアアアア」


 痛いかい、痛いだろうね。

 でもね、モンスターに眼を喰われたフォルカーはもっと痛かったんだぜ。


「うぐぅぐぎゃアアアアアア」


 手の指は10本あるからね、まずは爪を1枚ずつひきちぎってあげるよ。


「うぐぅぐぎゃアアアアアア」


 痛いかい、でもね、モンスターに腕を喰い千切られたフォルカーはもっと痛かったんだぜ。

 さあ、次は指の関節を1つ1つ潰してやるよ。


「うぐぅぐぎゃアアアアアア」


 ★★★★★★


 本当はもっとゆっくりと何日もかけて苦しめてやりたいが、お前に復讐したいのは俺だけではないんだよ。

 村の女たちはもちろん、家族も復讐したいだろうからね。

 俺はもう1つの眼を潰して終わりにしてやるよ。


「うぐぅぐぎゃアアアアアア」


「村の者たちよ、これは神が極悪人を罰する正当なおこないだ。

 だからお前たちも同じように極悪人に罰を与えなければならない。

 自分たちが受けたのと同じだけの罰を与えよ。

 だが直ぐに殺してはいけないよ、最低三日は痛め続けるんだ」


「「「「「うぉおおおおお」」」」」

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