第27話 2001/10 [ADHD児を救う愛の環境コントロール]


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<座 読書>


[ADHD児を救う愛の環境コントロール]

平山 諭 著 ブレーン出版 刊 2001/7


主に精神医学的分析に従い、ADHD(注意欠陥多動)などの人物への対応、

障害の分類、傾向などについて簡潔に示したマニュアル本。

教育者などに向けた書物のようだ。


ひとくちにADHDというが、最近の人間は子供に限らず「多動」な傾向が見られ

る個体が多いが、その理由についても本書は化学的環境、文化的環境などからの

影響を示唆しており、例えば児童に関して言えば30年前と比較し「我慢する」という

事柄について言えば「4年程幼く」なっている、と述べる。

(ですから、「ネオテニー化」の傾向はある、のでしょうね)

明らかな事実として、大脳新皮質の変化、などという解剖学的所見などを挙げ

ADHDと診断するには至らないが「多動、注意欠陥」の傾向は児童全般に

見られる、という。


面白い記述としては...

新生児への皮膚接触とストレス耐性との相関、ラットによる実験報告を母性的抑制の例

として挙げていること、など。

本稿の読者諸氏には蛇足であろうが、「母親がよく撫でてあげた個体は、その後ストレス

耐性が高くなる」というあれで、以前本稿でも引用したか、と記憶しています。

そのストレス耐性がADHDなどの障害の発症を防ぐ、という仮定であろうか。

この仮定に因れば、母性はヒトにとって必要条件だ、という事になり、

最近、多動傾向の個体が多いヒトが殖えているのは「母性の不足」が一因だ、とも言える

ことになる、のだが。


ADHD,LDなどの傾向を示す個体がその後、加齢を経てどのように変化するか

についても興味深い記述がなされている。


ADHD->行為障害(CD)->ASPD(反社会的人格障害)->性障害

ADHD->反抗挑戦性障害(ODD)->精神分裂病、解離性障害


という具合。

これらの記述が、臨床例などの引用を豊富にイメージしやすくまとめられて

理解しやすく、面白い本である。






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項 バンダリズム考 その 60




さて、こんな本を読みますと...


周囲の異常な人物に当てはめてみたりしたくなりますが、止めましょう(笑)

例えばこんな感じ。


行為障害(CD)


他者の基本的人権または年齢相応の主要な社会的規範または規則を侵害する

ことが反復し持続する行動様式で以下の基準の3つ以上が過去12ケ月の間に存在し

基準の少なくとも1つは過去6ケ月の間に存在したことによって明らかとなる..


しばし他人をいじめ、脅迫し、威嚇する

物や好意を得たり、または義務をのがれるためしばしば嘘をつく(人をだます)

しばし他人に対し身体的に残酷である.






など。




本稿で紹介した例で言えば、Aさんの(元)上司のMなどですか。

過去、10数年にわたり部下であるAさん以下をいじめ(しばし他人をいじめ)、

虚偽の報告をし、部下のAさんに不利益を被らせたり、またAさんへの暴行が発覚

しそうになると周囲の人間を買収し、事実を隠蔽する(人をだます)。

Aさんほか部下たちにしばし暴行をおこなう(しばし他人に対し身体的に残酷)





反抗挑戦性障害(ODD)



少なくとも6ケ月以上持続する拒絶的、反抗的、挑戦的な行動様式で

以下のうち4つ以上が存在する


しばし、かんしゃくを起こす

しばし、口論をする。

しばし、要求または規則に従う事を積極的に反抗または拒絶

しばし、故意に他人をいらだたせる

しばし怒り、腹を立てる

しばし、意地悪で執念深い。





これも、さきのAさんの職場の卑劣な連中E、Yなどを例に取ると...


ささいな事でAさんに「口論をしかけ」(E)、

上司の制止を無視し、いやがらせをくりかえす(規則に従う事を積極的に反抗または拒絶)。

ストーカーの如く常にAさんの周囲をうろつき(しばし、故意に他人をいらだたせる)(E)、

書類などで机を叩く、事務具などを乱暴に扱い不要な物音をたてる、

不要な会話を大声で行うなどする(しばし、故意に他人をいらだたせる)

(E,Y)、

ささいなAさんの行動に腹を立ておおげさに上司に苦情をのべる

(E,Y、しばし怒り、腹を立てる)、

そして、このような行為を継続して数年以上、対象はAさんに限らない。

(しばし、意地悪で執念深い)








こんな感じ(笑)




診断。





みなさん、精神科へどうぞ(笑)

(Eなどは通っていたそうですが.....)







しろうと判断は冗談にとどめておきましょう^^;


冗談ではなく、いじめを行うような人物というのはなんらかの異常が

見られるのが普通です。

しかし、異常な人間であっても「隔離」することができないので

悲惨な事件が絶えない。

ですから、なんらかの対策が必要に思える、のですが。

現状では、刑事事件などに発展しないとそういう異常者は野放し、なのですから。

このままではUSAのように訴訟社会になるのを待つより他ない、という事でしょうか。


テロリズム撲滅をブッシュ大統領は述べておられますが

いじめ、いやがらせもある意味では「テロリズム(恐怖統治)」ですから...





さて、そのAさん、社長に直訴したところ、改善が見込まれたそうです。

なんでも、いやがらせを行っていた連中の一人は(理由はわかりませんが)

自主都合退職、残りの連中も卑劣な行為が出来ないように会社が人事面で

考慮する、という対策を行う、という事のようです。



やれやれ^^;



リストラ、良い事もあるのですね。

(これはリストラを名目に、大規模な人事刷新..Aさんたちの在籍していた

腐敗企業をまた解散させる..を行った、ということのようですから)



筆者は当事者ではないので良くはわかりませんが

正しい事を行っていれば、そして臆する事なく正しい主張をすれば

いつかは良い事がある、と思いますネ。 ^^)



サラリーマン社会といえど、これからは能力主義、効率化の時代。

上手く世渡りしよう、なんて腐った根性の奴が勝てる時代ではないのです。ね。




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