第25話 定刻発車


−−−−−−−−−−−結−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



<座 読書>



[定刻発車 ]

三戸裕子 著 交通新聞社 刊 2001・3

実のところ、鉄道ファン的な興味からこの本を読んだのですが..


内容は、環境文化論のようで、環境が文化を作るという視点

(例えば、大河の流域には農耕文化が栄える、とかのような)

そういった感覚で、[日本人の性質と鉄道]という、ユニークな関連から

論が展開する。

まあ、裏つけはないので、単なる読み物に過ぎないのですが

読み進めてゆくと、興味深い事実も幾らかあります。


例えば.......

*日本の鉄道ダイアの正確さは世界一。

*鉄道の発展が、現在の経済発展に少なからず貢献した。

*乗客も苦難に耐えながらダイアの正確運用に協力する。

*欧米などでは、30分程度の遅れはあたりまえ。

*日本最初の鉄道は、複線計画だったが、日本人が計画を変更し、単線運営。


こんな事柄から、著者は日本人の勤勉、気真面目、などという特徴

(最近はそうじゃない日本人も多いですが^^;)

は鉄道との関連によるところが大きい、とする。



僕などは、どちらかというと性質が鉄道をこういう運営にした、と思ったり

するのですが、まあ、これはどっちが先か検証するような趣旨の本ではないので^^


意外な視点では、こんなところも


*鉄道車両内でのマナーが問題となっているが、本来プライベートな空間で

あった方がサービスという点では上だ、現状は乗客に我慢を強いているので

ある。車内で傍若無人に振る舞う人が増えたのは、そういう状況への

反発であり、鉄道側のサービス不足である。


.....うーん。(ニガ笑^^;)








小児科医がみた日本の母親・世界の母親

諏訪美智子 1200円 悠飛社 2001/3/30

実のところ、現場からの「母親」像に期待してこの本を図書館で借りた(笑)

のですが....


内容のほとんどは筆者と医療業界の裏話みたいでして、

まあ個人の書き物にはありがち(失礼)な展開に、「....。」

てな感じでもあったのですが、目論見通りの下りもありましたです、はい。


例えば、こんなところ。


*アメリカ人の母親はしつこく質問するが、日本人は説明を聞いていない。

*イラン人の母親は一番強い薬を欲しがるが、日本人は弱い薬をねだる。

*日本人の母親は抗生物質を欲しがるが、必要の無い時にも投薬をねだる。

*日本人の母親は子供の病気よりもお稽古事のスケジュールを重視する、

例えばこんなかんじ。「先生、明日水泳教室があるんですけど、熱があったらだめですか?」

(アタリマエダロ)



*日本人の母親は目的の為に文書偽造すら要求する。

例えば、こんなかんじ。


「先生、診断書に『インフルエンザ』って書いてくれれば、皆勤賞が取れるんです」


(笑)そこまでするか?




...どうも、日本人は外国人よっかいいかげん、で、カネに弱い。

んで、セコイ(笑)。


僕も反省せねば(懺悔。)


「経済合理性」って奴がいかに人間をダメにするか、といういい見本ですね。はい。

熱ある子供を無理に学校行かせて、皆勤賞取ってなんになる?

(子供の健康は?無理して死んだらどーする。...)


久しぶりに本読んで腹立ちました(笑い)




------------------------------------------------------------


項 バンダリズム考 その 58


さて、このところネオテニーのお話が続いておりますが..



実際のところ、俗称であるこの表現、まんざらハズレでもないようです。



と、いうより、日本の場合は慣習として「上には従う」という

方向性がありますから、「上に行ったら好き放題」と

思ってる連中も相当多い。


で、最近は滅私奉公してやっと上に近づいたら、リストラ。

なんて行って会社を逆恨みする連中もいますが..



そういう考えが間違っている、という事にどうして気付かないか。


こういう方は外務省の官僚を批判できませんね。


サラリーマンは、大体こういったタカリ体質をもってますから、

例えば、こんな不正。



*私的に使用するノートパソコンを会社の費用で買う。

*私的な飲み代を会社の経費で落とす。

*出張旅費を正規運賃で計算し、実際には安売りチケットを使用し、差額をガメる。

*社員の身内に不幸が出ると、献花代などの領収書を偽造し、差額をガメる。



これは、ある会社のN という男の罪状のほんの一部ですが(笑)


こんなのが当りまえだ、と思っている連中も多い。






で、こういう連中が「不正はばれなきゃいい」という事をその子に

体現し会得させ(笑)ますから...



いじめはなくならない。



別にサラリーマンでもいい、のですけれど、不正をしなければ。


ただ、不正をしない、と回りから煙たがられるのも事実だそうでして。

(そいつが告発しないか、と思うワケですな)


で、組織はどんどん腐敗する、と。



そういう構造がリストラされるのは正しいことですね。





さて、こういう連中が幼稚であるか否か、という判定をするまでもなく。


実のところ、日本の風習も悪いのですね。


善悪をないがしろにする、というのは江戸時代あたりから、とか。

これはまあ、封建社会への盲随がそういう風にさせたのですが、

実に日本のサラリーマン社会というものも、封建的でしたので

それに類似しているのはま、必然かもしれないですね。



実力主義、大いに結構だと思います。



そうすれば「上に封建的に従う」こともなくなりますし、

タカリ構造もなくなるからです。



「サラリーマン社会でうまく生き延びることが、人生を勝つ」

なんて腐った根性の奴も生きる場所がなくなる。




それでこそ、成熟した大人社会でありますし、

大人がそうならなくては子供も追随しませんでしょうし。




そういう真実が「いじめ」のような不正をなくす一歩でしょうし、

そうならないと、バンダリズムの横行は防げません。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る