第19話 2000/10/3

−−−−−−−−−−−結−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


[座 読書]



<カルトか宗教か>


竹下節子


文春新書 99/11/20



このところすこし忘れられている「カルト」の問題。それについての

予備知識、また実際的な対応マニュアルとして実用的。

現代社会に潜んでおり、表面的には問題ないような機構が精神的には

「カルト」のような存在であったり、とか。

(まあ、後日、問題が生じた場合に大騒ぎになるのですね。

日本の企業なんかはそのモラルの低さから見てほとんどカルトのようなもの

が多いです。

「日本の会社に人権なんて存在しない」と、

とある有名作家の方も発言してましたね

これは、前例にしたAさんの会社などを見ても明らかですね)


著者はこの分野について偏りが少ない見識を持っている方、であるように思えます。

被害予防のために、基礎知識を、と思われる方には適当な書物。






<世界のイジメ>


信山社 2000/1/30


イジメブックス という奇妙なシリーズ名で発行されている本の一巻。

内容は、世界各国の「いじめ」事例の紹介、その文化的背景など。


アメリカなどにはいじめはないか、と思ったのですが、それなりに存在している

とようですね。

しかし、内容は日本のそれのように陰湿なものではなく、むしろ従前、日本の子供達

にもいた「いじめっ子グループ/普通の子/いじめられっこ」という関係のようで

暴力的な対立が主であるところ、やはりアメリカだな、と思われます。

多民族国家では日本のそれのように、大多数がいじめ側に回る、といった

状況には陥りにくいようで、このあたり日本人的な「場」の影響がないせい

のようでもあるようです。


もっとも日本のいじめに近いのは、やはり韓国のようでした。

このあたり、儒教文化の誤った引用の影響ではないか、とも思えます。


事例の紹介が主で、客観的な情報が殆ど。データ収集目的にはよい書物。




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項 バンダリズム考 その 52



?Dネオテニー現象との関連性?


<攻撃性>


さて、攻撃性なんていうと言葉の響きが悪いのですが...

どうやら、根底にはこれが存在するようですね、ヒトには。

しかし、フツーの人々は、これを[積極的行動、活動]と変換させて

直接、他者を攻撃しない、という抑制システムが存在します。


言い換えれば、生物として狩猟を行っていた頃は、直截に他の動物を殺傷する、

という行動でこの<攻撃性>満たしていたものが、採集から農耕、というプロセス

に至り、これが<構築的行動>として、なにがしかの変化を及ぼす、という行為に

変換された、と見られています。

例えば、荒地の山林を開墾したり、住宅を建築したり。

これは、言い換えれば、<自然環境>を攻撃することに変化した、といえます。


このような観点から現状を省みますと、まあ<人間は暇すぎる>のですね^^;。


いじめの多くが先進国で顕著であったり、概して暇な連中(ある種の主婦だとか、

子供だとか、A君の会社の連中のように、

戦力外の低レヴェル産業廃棄物のような♂♀、とか)

で、発生が多く見られることとの関連から考えますと。


この群に共通していることに、「働く」類の行動を行わなくて生存が出来る、

という生物としては不条理な生態、があります。

サラリーマンなどという者の殆どは、クレージー・キャッツの歌のように

(喩えが旧いですね^^;)労働と対価が直接、一致しないので、

つまり、サボろうと思えばいくらでもサボれるわけでして。

この場合、子供と大差はないわけです。「暇だ」という点では。



そこで、本来人間がもっていたはずの攻撃性が頭をもたげてくるという

可能性も考えられる、という仮定のお話なのです、今回は。




生活には過不足ない。

時間は余っている。

しかし、やるべきことが、ない。



こんな状況下で、行動力の行く場がなく、「攻撃」に走るのではないか、と。

そして、表面的には処罰の対象になりにくい「いじめ」に向かう、とか。








たとえば、発展途上国の子供達の瞳が輝いていることや、スポーツ選手の殆どが

爽やかな印象を受けたりするのは、その<構築的行動>の目標があるから、なのですね。

おそらく。


また、学術研究者や、芸術家などが概して不純な印象を受けない、という事も。







明るい兆しもあります。


私の周囲には、こうしたいじめなどには染まらないような子供達も存在します。

彼等に共通していることのひとつに、「家業が会社員でなく、自営業者」である、

という事柄が挙げられます。



これは、先の状況に当てはめますと、親が働く、という行為を自ら示し、

また労働=対価の関係がリニアである、という事を自らの眼で見る事で

自然に本来的な「人間らしい労働のあり方」を知っているのか、とも

思えますし。

また、こうした親たちは自らが働かなくては生計が保てないので

自然と<構築的行動>によって攻撃性を昇華させているのであり、

会社員のような状況よりは精神的に健康であり、故に子供達への

悪影響はあまり考えられない、とも考えられます。



これは、なんのことはない、簡素な原初的農耕民的な生活のようなものです。



さて、以前お話したR君も、私の隣人の子供も、「学校」「幼稚園」といった

「社会」で何らかの抑圧を受けてから暴力的になりました。





これらの事柄を並べてみますと、やはり、社会、経済、会社組織といったもの

のもつ欺瞞が悪さをしているように私は思えてなりません。

社会組織が欺瞞に満ちていれば、処世術によって防御せなばならず、

そこにはモラル、などというものは存在できず、「やられたら、やりかえす」

的な限りなく低次元な戦闘になっていってしまいます。

そして、卑劣な手段を用いても、勝てばよい、という結論に至る。

そのような状況が、もう限界まで来ているのではないか、と思います。

子供達の瞳を見ていると、そんな印象を持ちます。



さて、そんなサラリーマン組織で卑劣な手段を用いて勝ったところで

残るのは、後味の悪さと、失った精神の健康だけではないのかな?

なーんて、傍観者としては思うのです(笑)

子供達の心まで侵して。





いや、私も社会の一員ですから、こうした風潮に歯止めをかけたい、のですね。

まあ、傍観者としてはすることはほとんどない、のですが(恥)



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