第18話  <河合隼雄のカウンセリング講座> その3



<河合隼雄のカウンセリング講座> その3



創元社 2000/8






<カウンセリング・マインド>


昨今のように情報が氾濫すると、周囲のヒトについて診断を下したりする

という困った傾向の方が増えている、と講演で嘆かれています。

(前にお話した、私の知り合いのアマチュア・ライターみたいな方の事、

 ですね^^;)


カウンセラーは、診断を下すのが目的ではなく、その対象のこころ、

生活の基盤にまで立ち返って、そのヒトの人生について考慮しなくては

ならないから、とても根気のいる、人間くさい作業なのですね。




逆に、こうした半可通がこころに悩みを持つ方を精神分析したりする事が

症状の悪化にもつながるので、危ない行為だ、と警鐘を。

(それはそうですね、鬱っぽいヒトを励ましたり叱咤したら,,ね。

  「オマエはダメだ、病気だから」なんて言おうものなら..^^;)



(私、思うのですが、カウンセラーでなくてもカウンセリング・マインドの

持ち主というのは、かつては横丁のオバサンとかにもひとりくらいはいた

みたいに思うのです。

「思いやり、慈しみ」みたいな。“おふくろ”シリーズの浜木綿子さんみたいな

....おっと(笑)

でも、いなくなっちゃったのは、やはり環境の変化でしょうね。

生活の基盤の。)







<行動療法と、カウンセリング>


行動療法というのは、とりあえず短期間に成果が見られる。

学校や会社にいけなかった方がとりあえずは通えるようにはなる。

ので、昨今はカウンセリングよりも人気があるそうです。

しかし、それで「直った」と言えるか?と疑問を先生は投げかけておられます。

(直る、とは言わずに「寛解」という用語で表現するそうですが、

ヴィルス性肝炎なんかもこういう表現しますね。

これ、とりあえずは大丈夫、という事なのですが..。

筆者の近傍にも、こういう方を見かけることありますが、

やはり、発症以前とは異なった人格になってしまっていたり...。

とりあえずは普通に生活できるものの、些細なきっかけで異常行動にでたり、と

どうも、本当に直っているのではなく、犬の行動訓練のように躾ただけ、

という印象があります。以前お話したA君の元上司なども、そうだった、と

聞いています。

こんな実例からは、行動療法にはすこし疑問を感じざるを得ないところ、ですね)



カウンセリングは、時間はかかるのですが心を癒す、という側面もあり、

根源からの治療となりうるのです、ね。



(括弧内筆者記。本項との関連について展開を試みた。)





----------[以下、次号へ続く]---------------------------------


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項 バンダリズム考 その 50



?Dネオテニー現象との関連性?



さて、どうしてこういう人たちを問題視するか、というと。


子供たちの情緒への悪影響。

社会への悪影響。


そして、社会人であるにもかかわらず、平然と社会を壊すような行為を続けると

いうのは幼稚であるとは言えないでしょうか?

こうした人達は法によって加護されているにもかかわらず、

自分は法を破るという意味でも幼稚な行動であるといえますね。

子供たち、バンダリズムに走る子供たちがみな一様に大人を避ける傾向があるのは、

こうした大人達、親達が子供のような弱者への配慮を忘れ、おとな社会の理屈で

弱いものに容赦なく攻撃を行った結果である可能性がある

からですね。

これまで、お話してきた幼児、少年たちが暴力的になっていく背景にはどうも

こうした社会への参加という環境の変化が見られるようです。

それは、幼稚園への入園であったり、学校への入学であったり。

おそらくは、こうした組織にいじめが存在し、それまで母親の加護の元

好き放題にとどめなくエゴを放出していた子供のエゴが激突し、そこで

狡猾な、大人の真似をするものたちがいじめ社会を作り、誰かを差別する、と。

何のことはない、日本の大人たちの大多数だしていることと同じです。



しかし、こうした大人達も、恐らくは被害者だったのではないか?

と、今回の状況からは思えます。

世代的には今回の対象は大東亜戦争後の生まれであり、

そのあたりの世代影響としては明らかな文化的混沌、明快な

父権の提示が無い事、などが考慮すべき状況としてはあります。

しかし、ともあれ、こういう人物の存在が社会を住みにくくしているのは

否めないようですし、

これが子供のバンダリズム行動の要因の一つである事もおそらくは事実であろう、

と考えられます。

ネオテニーと揶揄される状況、実はかなり問題の根は深いようですね。


<退行現象>

精神的な衝撃を受けた後、心が混乱して一時的に幼児のような

振る舞いを見せること、を指します。

<逸脱>

しかし、こうしたいじめ等を行う人物というのは、

自ら無間地獄への道を歩いているようなものでして。

まあ、際限なく攻撃する、というのは言いにくいですが、

習慣化する種の快楽なわけです。

もともとヒトがもっている生得的な性質だからなのですが、

社会においてこれを抑止する機構が無い場合、

そのような個体は常の攻撃性を行使することになります。

前記のように、これは知性の幼稚化を招き、

これをネオテニーと表現される場合もありますが、

これは、いってしまえば脳が低次元な快楽に支配されている、という状態であり、

あたかも麻薬中毒のようにも見えます。

攻撃が意味する快楽は、流行の表記をすればドパミン・ノルアドレナリンなどの

作用に似ているようで、

感覚としては、すっきり。しびれる。動機、などの感じに近いようでして、

こうした習慣がついた場合、最終的には逸脱に至ると思われます。

それゆえ、逸脱寸前のヒトたちがぎりぎりで低次元な争いを繰り返す、という..

[幼稚]ですね(笑)


いや、相手にしないのが最良ですが、こういう馬鹿が絡んできたら。^^;


但し、それを行う事でこういう連中が蔓延るのですね。

現在の状況は、その結果である、とも言えますね...。




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