第7話 2000/7



--------------+-------------------


項 バンダリズム考 その 38



?Eネオテニー現象との関連性?




さて、これまでにお話してきた幼稚な人々が[幼稚になってしまった背景]を

文化的側面から考えてみるとしましょう。

何かの要因が彼らを幼稚なまま、成熟に至らしめない、と仮定した場合、

それは何でしょう。


また、成熟に至らない理由とはなんでしょうか?


前提として、「成熟」という概念の定義つけが必要か、と思われます。




<成熟した状態>


*一次的な欲求などを抑制できる。

*社会レベルで思考でき、行動に際し、利己的な判断を下さない。

*利害の調停ができる。

*公平な裁定ができる。

*他者への配慮ができ、公的な立場での行動について十分な思慮分別が存在。



などではないか、と思われます。


....まあ、これが壊れてしまった原因は、実に消費社会と競争経済だった、と

個人的には思います。


もともと、こうした<成熟> した個体というのは、ヒトに限らず群れ社会を保つ

ための存在であるわけですが、ヒトのように群れとしてのそ存続が安定して

くると、否応なしに「退化」が始まってくる、との見解もあるようでして。

不要になった抑制が解き放たれた。


それゆえ「ネオテニー化」などといわれているのですね。


(しかし、このところの日本では、経済の停滞から、混乱が見られるようで。

こうなると、<未熟>な個体は滅びてゆかなくては.....脱線。失礼。



それでは、[幼稚になってしまった背景]に戻ります。




まずは、要素を挙げます。




a)拝金主義。

例えば、企業内いじめなども倫理の点では許しがたいものですが、それを容認するのは

いじめの側が「金を稼ぐため」としての部下いじめを認める体制をつくるからであり、

それを「やむを得ない」とする奇妙な日本的風習にあるのですね。

もちろん、これは「嘘」であって、実際はそれを理由にしていじめを楽しんでいる訳です

が。

例の嫌がらせ(元)課長など「そのくらいの役得がなくてはやっていけない」と豪語した

そうですし。

そうして、部下は反感から抜け道をさがしてサボることばかりを考えて。

どんどん企業の収益は悪化する、と(爆笑)。


また、先例であったゲーム青年たちも「お客様だから」と、罵詈雑言を吐こうとも放置さ

れる。

公共の場で明らかな誹謗中傷を繰り返しながらも誰も注意しない。

これもまあ言ってみれば「お金をもってくる存在」だ、と容認している。

貨幣流通経済というものが、ヒトにとって大切な「こころ」を歪める。

そうまでして稼いだカネを何に使うのでしょう?

もともと、貨幣というものは便宜上の手段であったはずですが。

ひとびとの生活を豊かにするための。

それが、歪んでしまって、ヒトのこころを歪めても..となる。


例のカップルについても、こうした危険な者達を親達が無責任に放置する。


ちょっと表われ方は異なりますが、背後には「金」中心の考え方

(危険であろうと思われ、それが病的要因による場合、まず隔離すべきであるが行政は

これを無視します。 なぜなら、それには「金」がかかるからだ、そうです。

また、親達も放置する理由に それが挙げられます。「面倒だ」と、放置して、問題が

起きたら大騒ぎする。

どこかしら、この国の人々は皆、似通っているような気がします。






まあ、ぶっちゃけた話、ヒトにはどうやら攻撃性がある、と。

そして、それが暴発しないように「正義」なんて概念があった。

これまでは。

それが、混乱しはじめて、内乱がたくさん起きている。とか。

こういう見方をしている方もおられるようです。

それで、その「正義」を復権しようとしても、一度堕落してしまったから

なかなか元には戻らない。で、いろんな人がなんとかしようと努力されている。


「悪」という外部に向けて、攻撃性を向けておく。とりあえず、内部は安泰。これがうや

むやになった為に、行き場を失った攻撃性は「いじめ」にという方向性を見つけた、という

ことだ、と。


困ったことに、年長者が率先してこれを行う為に、それが正しい、ということになってし

まう。これは儒教精神からは遠くかけ離れた行為でありますが、一度制度として定着して

しまうと、なかなか...


そして、利権を持つ側はそれを手放そうとはしない為に、悪慣習は絶えない。




たとえば、拝金主義であっても、まだそれが組織の正義として機能している間は、

とりあえず攻撃の対象は外部になる。


しかし、あらゆる手を尽くしても利潤が得られにくくなってくると..。

次第に統制は乱れて来、たとえばAさんの会社のように、上司が部下をいじめる。

といった、組織の統制という面からすると逆効果の事を行うこまったヒトが増えてくる。

ちょっと考えればわかることですが、これは子供のいじめとは次元が異なる問題です。



例えば、軍隊のような集団であって、上官が部下の命を省みないとすれば、そこの部隊は

確実に崩壊します。


これと同じことで、上司が個人的なエゴイズムで部下に接すれば、部下もエゴイズムで

防御せざるを得なくなりますね。




特殊な趣味の人でない限り。



(例えば、家族であっても同様なはずです、親がエゴで子供に接すれば....)



ちょっと話はそれましたが、現在の拝金主義は、このような状況で組織の正義としての

機能を失っている場合もあるようです。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る