鯰日記

架橋 椋香

鯰日記

 はにかまず、静かにナマズ、体育館をぬらりと脱け出し、にんまり。ナタデココの香りと共にある陽光などを潰し定めつつ、品揃えが死なないでいることに舌打ちをするような鯰生ナマズせいだ。これを繰り返す先祖子孫などもあるのなら、やはりここにいるべきであるような、ここにいるべきでないような、野菜を感ず。乾いたら乾かされたら交わされた会話などにやられてしまう。やられてしまう前に逃げるに限るのです。


 しかし。ナマズたとえナマズと謂えど気づくこと気づくこと。思うのです。フィードバック後ろに餌付けして後ろめたくえずいている内は、体育館にはいられない。系が破綻するまで廻り続ける正のフィードバック。悪循環を持っていて、てんてこと舞うナマズ自身があるのであること、知ってる。知ったからなんなの、ではある問題ではあるのだけど、知ることはまあ割と大事よね、でもある。


 で。


 ナマズ何かを変えよっ思った。先輩も後輩もあの子も知らない、ナマズだけのヒミツ。「こうすればどうだろう」ナマズはしゃがんで、学校から飛び出したっ!


 飛ぶナマズ!びゅーん!!飛ぶナマズ!べちん!!!


 一軒家の屋根に着地。しかしナマズはぐしゃぐしゃになっていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

鯰日記 架橋 椋香 @mukunokinokaori

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ