たまに夕陽を削ってみる

作者 羽山健太郎

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★★★ Excellent!!!

「作者の気持ち」「作者が言わんとしていること」などというものは実際誰にも分からない。
それは私のような素人に限った話ではなく、文芸評論家や大学で文学について教えている者、あるいは心理学者にしても同じことである。
我々にできるのは推測であって、理解ではない。

詩集の作者である羽山氏は実にシュールでユーモラスな詩を書く。
それらは一見全く無意味で荒唐無稽な代物に思えるのだが、その実一度読んだら病みつきになる中毒性を持っている。
ただ、今回の詩集はこれまでに比してメッセージ性の強いものとなっている(こんなことを言うと昔からのファンのように思われるかも知れないが、私が氏の存在を知ったのはつい最近のことである)
前作である『ラララぶっ潰し節』でもそういった部分はあったのだが、以前はあくまでも「賞に受からない怒り」が主であったように思う。
今回はそのような生易しいことではなく、理不尽で混沌とした社会に対する氏の怒りや悲しみ、諦め、絶望、そしてその社会で平然としている我々に対する「お前らこのままでいいのかよ!」という叫びにも似た氏の警告が見て取れるように私には思えるのである。