大将


おれが刀を持って佇んでいた

気をつけろ!

おれが刀を持って佇んでいるぞ! ここに!

お前は耳たぶを削ぎ落とされるぞ!

即だぞ!

即!

意味がわかるか?

次の瞬間だぞ!

目を閉じて開けたらもう無いぞ!

さっきまでなんて何処にも無いぞ!

なるべく親切丁寧な説明を心がけるぞ!

勢い良く振り下ろされる刀で耳たぶが落下するぞ!

身体から離したくない奴は逃げろ!

おれは執拗に且つ丹念に追い込むぞ!

弱肉の敏感さでお前は危険を察知しろ!

ママ特製!

そんなシチューはひっくり返るぞ!

おれは残虐大将!

耳たぶの次は首だぞ!

お前の首吊り死体をさらにぶちのめすぞ!

紫色になってもけっして許さないぞ!

道徳からはみ出すことを恐れはしないぞ!

「地球の上で暴れないでください振動がうるさくって眠れませんよ」

もぐらが言った

もちろん殺した

まず引っこ抜いてそのまま素手で二つに分けた

ざっくりという感じ

「ぷりっぷりじゃねえかよ………」

おれはもぐらの肉の艶やかさを賛美した

だが棄てた


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