第117話 朝食の席で

 3人への求婚は別にして、朝食に下りるとベルナリアとタチアナさんがテレーゼを揶揄からかっていた。

「19歳で求婚されるなんてね~。昨日まではそんな話になるなんて思ってなかったわ」

「初めてはどうだったんですか?痛いんですか?」

「お嬢様、痛くないはずは御座いません。ユウキさんのかなりの大きさですわよ」

 ベルナリアが興奮のあまり紅潮した顔でテレーゼに迫る。

「先程、歩き方が変だったのはそのためですか?」

「でもユウキさんなら回復が使えるのでは?」

「えっと、私が回復を断ってしまって……」

「えっ、どうしてですか?」


「普通がいいと私が……」

「「おぉ~!!」」

 テレーゼはユウキが原因ではないとフォローを入れる。

 それを聞いた二人が歓声を上げる。

 それを耳にして多分揶揄われるだろうそこに俺は向かう。

 ここは俺のステージだ。

「あまりテレーゼを揶揄わないでやってくれよ」

 暗に揶揄うなら俺にしろよと示す。

 俺の面の皮の防御力を試すと良い。

「それでテレーゼとの関係はどうするの?」

 タチアナさんには言わなければいけないだろう。

「テレーゼには言ったんだが、ベルナリアお嬢さまが王都に行ったら護衛の任は解かれるんじゃないかって。そしたらうちのパーティに来いって言ったんだが」

「貴方のパーティに?」

「まあ、俺の3人目の嫁として?」

「あらあら、ご馳走様。まあ確かにお嬢様が王都に行かれると、任せる仕事が無くなりますね」

 うんうんと頷いて。

「今から考えておけばテレーゼが居なくなっても大丈夫な体制にすることができるでしょう。」

「どうでしょう、お嬢様?」

「人が幸せになるのを邪魔する領主の娘なんか居るわけないでしょ?勿論、認めるわよ」


 俺も取り敢えず朝食を片付ける事にする。


「どことなく和食っぽい朝食だなあ。まあ好きだけど」

「これはルシエン風かしら?面白いわね」

 見るとルリが目を輝かせている。

 これがルリの故郷の味なのだろうか。

 いつかルリの家族にも会いに行かないとな。

 そんな俺の気を知らずにルリが良く食べる。

 ルリ、ボンキュッボンはいいが太るのは無しでお願いしたい。


「それではお嬢様、一度領主様にテレーゼの件話しておいてください」

「分ったわ」

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