第115話 テレーゼ初めての夜
夜、テレーゼが部屋に来た。
目的は言わずもがなだな。
「来てくれて、ありがとう」
部屋に招き入れて抱きしめてキスをした。
テレーゼは初めて見る衣装を着ていた。
「今日買った服かい?」
ポーランドの民族衣装みたいだった。
緑のスカートに黒のベスト、白のブラウスに袖の部分に赤い花模様の刺繡がされている。
普段は束ねられている緑の髪が衣装によく似合っている。
「よく似合ってる、可愛いよ」
頬を撫でてその流れでキスをする
テレーゼを抱き上げベッドの上で解放する。
「テレーゼ、言っておきたい事はあるかい?」
「わ、私は19歳です。もう行き遅れかと諦めかけていたところだったのですが、あ、あの初めてですので優しくし、して欲しいです」
テレーゼは分かりやすいほど緊張していた。
「分った。安心しろ」
そう言って衣装のベストを脱がせにかかった。
……
初めてだと言うならやっぱり破瓜はパーティから外さないとできないだろうと思ったらやっぱり駄目だった。
で、一瞬だけパーティから外して、
『
「えっ!」
動作を止めてテレーゼの訳を聞こうとする前に言われた。
「最初の時は痛いものだって聞きました。ならば私は痛いのがいいです」
痛みに顔をしかめながらそう言う。
「貴方は凄い人です。他の人にはできない事をたくさんできちゃう人です。だから私は貴方がくれたごく普通の物を愛して行きたいです」
「それでいいのか?」
「はい」
テレーゼは優しく微笑んだ。
俺はキスをしてゆっくりと腰を前に進めた。
……
『
テレーゼの胸がゆっくりと上下する。
「あら幸せそうな顔」
フランがテレーゼを見てそう呟く。
「惚れられちゃってるわねぇ、”痛いのがいいです”なんて」
「そうだな、意表を突かれたな。今夜来たのも正直意外だった」
「で、どうするの?」
「そうだな、ベルナリアが王都に行くならテレーゼにはうちに来てもらおう。『
そう言うとフランとルリに向き合った。
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