第110話 ベルナリアの初恋
投票の結果は、予定は変更するで4票、放棄2票。
時間は今すぐ2票、明日の夕方2票、放棄2票。
「明日の朝?」
う~ん、明日の朝か……
「テレーゼ!貴君を明日のベルナリア親衛隊の護衛に任命する」
「はっ、謹んでお受けいたします」
……え?
「ベルナリア、ギルビットの街で襲われる予定ある?」
ベルナリア首を振る。
「じゃあ、お前らギルビットに送ってやるから買い物して来いよ。俺は戦闘ならお前ら5人より強い自信はあるぜ。聞き込みだって
皆、顔を見合わせてる。
「後は……男に
結構強引だが、護衛対象をギルビットという関係の薄い場所に移動させて自分をフリーな状態にした。
じゃあ本日から活動する。
もう1回ギルドに行く。
盗賊のアジトの範囲はどれくらいまで絞れているのか。
盗賊団の構成人数はどれくらいで見ているか?
詳細な聞き込みをするためである。
ギルド長の所では領都グリンウェルの南西、ノーラタンの東辺りが怪しいとにらんでるらしい。
範囲はおよそ直径50km。
盗賊の規模は100人は超えないと見ている。
ここで初めスキルポイントをゴーストの召喚に6PT注ぎ込む。
倉庫から死体を6体取り出し呪文を唱える。
『
目の前に6体の黒っぽい
こいつらを使ってアジト周辺を見晴らせ、アジトを見つけよう。
「ここから南東の方角へ向かい、この辺りで人の存在を探せ」
コンソールのマップを使って場所を指示した。
ゴーストたちは音もなく姿を消した。
今夜やることは以上かな。
後はスキルについてベルナリアと相談だ。
「さっきの領主の娘としてってやつ、心は決まったのか?」
「ええ、やっと諦めがついたっていうところね」
「私にはテレーゼの様には剣を振れない、フランさんの様にはポーションは作れない。ルリの様には……ルリって何するの?」
「ハハッ」
俺はベルナリアの疑問に笑って答えるしかできなかった。
「迷ったけど私は領主の娘として生きるわ」
「迷ったのか……」
「迷ったというよりは……憧れたかな」
ベルナリアはホホを赤くして顔を伏せた。
「憧れた?何に?」
「貴方によ!鈍感!」
きっと俺は素っ頓狂な顔をしていただろう。
「私には自由に生きている貴方が眩しかったのよ」
ベルナリアは遠くを眺めるような目をしてた。
「憧れると同時に私には冒険者として貴方の世界に飛び込む事は出来ないと感じたわ」
そう言うともたれるように身体を倒してきてキスされた。
「ちょっとよろけてしまったわ。支えてくれてありがとう」
首に腕を回してきてがっつり顔を抱え込んできたのに無理があるなぁ。
タチアナさんとテレーゼは見てない振りをしてくれた。
「ファーストキスだったのよ。これが私が自由にあげられる最上のモノだから」
ちょっと寂しそうに言った。
その後キッと顔を上げ、
「私にスキルを付けてくれるのでしょう?」
そう振り払うように言った。
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