第68話 ダンジョン派遣部隊結成1

 野営地にて、設営を終えてタチアナさんに食材を渡すと早速さっそくダンジョン派遣部隊の準備にかかった。


 まず12体の構成だがこれは通常の2部隊分、ノーマル6体、両手剣2体、大楯2体、弓2体で良いだろう。

 そいつらにちょっと細工をして、フォーメーション、行動指針をインプットしていく。

 今回、護衛対象も俺も居ないので、大楯の役目は完全なタンク役になる。

 周りの状況によって、狭い場所、広い場所、狭い通路、広い通路、色々なケースによってフォーメーションを変えていく。

 行動指針は簡単だ。

 優先順位は安全確保、回復、再行動。基本的にはこれだけだ。

 安全確保には敵の排除や撤退行動によって、ダメージを受けない状況を作るための全ての行動が含まれる。

 回復はスケルトンはHPの自動回復機能があるので、全回復するまで待機する。

 全員が全回復したら移動して敵を探す。


 問題は安全確保だろう。

 敵の強さによって排除を目指すか、撤退するか。判断できるだろうか?

 俺のレベルが25になったらリッチを召喚できるようになるから、判断を任せる事もできるだろうが、今はどうしようも無い。

 まぁ、それを含めて今回は試すしかないのだが……


「本当にそれで大丈夫なのですか?」

 俺の細工を見ていたフランがそんなことを言ってきた。

「結構いけるんじゃないかと思うんだが……」

 改めて見たフランが懐疑的な目を向けている。

「大丈夫だって。取り敢えずこいつらは攻撃をしないようにするんだし、冒険者からは距離を取るようにすれば大した問題にはならないよ」

 フランはまだ不安げだ。

「大丈夫、大丈夫。いけるけるけるケロップ。スケルトンには冒険者には警戒色は出しても、攻撃色は出さないように指示しておくよ」

「警戒色?攻撃色?」

 フランが疑問符を頭に浮かべていた。

「気付かなかった?スケルトンの目の色に」

 俺は1体のスケルトンに目の色を変えさせて、青だった色を黄色や赤の表示をさせる。

「変えられるのですか?目の色を?」

 俺は我が意を得たりと頷くと畳み掛ける。

「それにスケルトンが全滅してしまっても、俺達に実質的な被害は無いしね」

 勿論、俺は無駄に死なせるつもりは無いけど、倒されてしまったら再度スケルトンを召喚すればいい。

 スケルトンの装備は召喚した時にスケルトンが持って来たものだし、多分倒してもその場に残るような物じゃない。

 そう、スケルトンの装備は強化のスキルが上がる度に良い物に変わっていき、今では武器も防具も魔法の光を放っている。

 今ではと言うならば、鎧や盾の一部に黒く何かが書いてあるのだが……

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