第41話 一夜の過ち?2
俺が正気に戻ったらゴブリンはスケルトンで倒してました。
俺が錯乱していた時間はほんの瞬間だったようだ。
というか俺は錯乱している場合じゃ無い。
俺はフランに
「良かった!無事で良かった!」
とやってしまってから気が付いて凍った。
不適切な行動だったと思った時には既に遅し。
俺は就寝中だったので薄着なのはまだしも、目の前のフランは
先程まで水に漬かっていたのを主張するように背中に髪の毛が張り付いている。
そして俺の腹の上部には『ふにょん』とした感触がある。
それが何であるかは言及する必要を認めないので割愛するがコメントとして、
「それはとてもいいものだ!」とだけ言わせていただこう。
幸いフランも凍結していたようで充分に堪能する時間をいただけたようだが、アディショナルタイムはここまでのようだ。
再起動はフランの方が早かった。
「あっ、あの~」
口に出した言葉はそうなのだがたぶん言いたい事は、
『これはどういう状態で、いつまでこの状態なのか?』という事だろう。
俺は残念そうな顔を張り付けたままフランを抱き上げ、『
この場にいる12体のスケルトンを護衛に残し、21体のゴブリンの死体を回収し野営地に戻った。
ゴブリンに囲まれるなんてフランも怖い思いをしただろう。
ゴブリンはこの世界でも女性の敵だ。
この世界のゴブリンは所謂エロゲー仕様という奴では無い。
ある意味もっと残酷で、ある意味では優しい。
生まれてくるゴブリンは全て雄だ。
では生きているゴブリンの雌はどうやって存在しているのか?
人間やエルフ等の亜人の女性をゴブリンの雌に変えてしまう薬があるらしい。
その薬を飲んでしまうと一週間ほどで身も心もゴブリンの雌になってしまうと言う。
ただゴブリンの巣窟を攻撃して探索しても原料らしいものも作成済みの薬も見つかっていない。
そのため未だに謎に包まれていると言う。
助け出された女性の話はたくさん残されている。
色々な表現がされているが大体の話は共通している。
・その薬は飲み薬のようだった。
・初めの内は鼻が曲がるような臭気を放っていたが、時間が経つにつれ段々甘い美味しそうな香りに変わっていく。
・のどの渇きと共にその薬が危険なものだと言う思いが薄れていってしまう。
正に魔薬だ。
一度ゴブリンの雌になってしまうと、もう元の人間や亜人に戻る方法は無い。
ゴブリンになりきる前ならエリクサーで治るらしいのだが、エリクサーを作れる人間は数が限られている。
今、エタナリア王国でエリクサーを作れるのは3人しかいないと言う。
材料にも貴重な物が使われていてエリクサーは希少で値が張る。
つまり全ての平民、殆どの貴族の女性にとっても一度その薬を飲んでしまったら助からないのだ。
完全にゴブリンに変わてしまう前に死なせてやるのがせめてもの慈悲と言われる所以だ。
この辺りにもゴブリンが繁殖してしまっていると厄介だ。
早い内に手を打った方がいいのではないだろうか。
そんなことを考えているとフランもテントに戻ったようだ。
明日フランに少し注意を促しておいた方がいいだろう。
明日に備えて今日は早く寝るつもりだったのだが跳んだ目に遭ったもんだ。
ひゃっほう!
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