第28話 薬草採取クエスト
朝、まだ早いうちに支度を済ませると冒険者ギルドに向かった。
中央広場には露店が既に店を開いており、人波と喧騒を纏っていた。
冒険者ギルドに入り依頼ボードに貼り出された新しい依頼票を選別していく。
エルガライズ商会の依頼を受けるなら今日を含めて4日以内に依頼を終える必要がある。
特別な場合を除いて、帰りの日程は『
難易度はEかDランク。
上記の条件で選べるのは……素材採集系はほとんど行けるが実際に採集してから依頼を受けてすぐに収めるという形でできるので、今受けなくてもいい。
やっぱりコボルト狙いで採集も共に狙えればってところだろうか。
それなら別に先に依頼を受けなくてもいいか。
いや、一つどれかを受けないと街に入る時に税金を要求されてしまうな。
採集と討伐にどんなものがあるのか一通りチェックして薬草採集のクエストを受けてギルドを出た。
露店を廻って売られている物を見ていく。
今回食事を自分で用意する必要があるので食材と道具を増やさないと。
・フライパン 150G
・水晶玉 500G
・ランプシェード 5000G
・砂糖 10kg 2500G
・小麦粉 10kg 300G
水晶玉は照明用のを追加した。
テサーラの街よりグリンウェルの方が物価が高い。
ランプシェードは『
鳥籠みたいなドーム状になっていて、木の枝と鳥の意匠で彫り込んである。
二重になっていて回転させることによって光を全て遮ったり、木洩れ日のように一部を透過させたりできるようになっている。
可愛かったから買った。
後悔はしない。
調味料は高い。
砂糖はもちろん漂白されていない。
砂糖と小麦粉はエルガライズ商会に売ってもらった。
買い物が終わったらエルガライズ商会で話を済ませる。
依頼をこなすために出かけねばならなくなったので指名依頼の受諾の返事をしておく。
商隊出発の前日に戻る予定である事。
依頼を出しておいてくれれば前日に受ける手続きを行う事。
条件は前と同じでいい事を告げた。
以上の用事を果たして昼前にはグリンウェルの西門から街の外に出発。
目指すは先日のコボルト出現地帯だ。
その日はすれ違う商隊や旅人、冒険者はあるが、問題は特に何事も無く野営準備を始めることができたのだが……
「おい何だこのスケルトンは!?」
俺のスケルトンにちょっかいを掛けてくる奴がいた。
グリンウェルの方より後から来た商隊と護衛が同じ場所に野営しようと近づいて来たみたいで、スケルトンに絡んで騒いでいる。
まぁこんな場合は共同戦線を張って身を守るってのがセオリーなのは分るが、ネクロマンサーにはスケルトンがいるのでこういうトラブルを起こしやすい。
「俺の使役しているスケルトンなので敵対行動をしなければ襲い掛かったりしませんよ」
煉瓦と鉄の棒でかまどを作りながら答える。
ネクロマンサーは肩身が狭い。
便利なんだけどな、スケルトンズ。
取り敢えずおっかなビックリだけど実際に襲ってこないからか、信じてはくれたようだ。
ここに来るまでにウサギのような物(一応鑑定スキルではウサギと出る)を2羽仕留めていたので、血抜き、皮剥ぎ、下処理をして夕食に提供した。
メニューはウサギ肉のシチューとウサギ肉の丸焼き。
シンプルイズベスト。
牛乳はグリンウェルの近くで牛を飼っている酪農家から購入した。
・牛乳 10L 300G
適当な大きさに切ったウサギ肉とニンジン、ジャガイモ、玉ねぎを軽く炒めて鍋に入れる。
バターが無いのでオリーブオイルで炒める。
程よく炒まったら牛乳と小麦粉を鍋に投入。
塩と胡椒で味を調えて完成。
味は料理スキルの効果もあっておいしくできました。
おすそ分けした商隊の人にも護衛の人にも喜ばれました。
料理スキルは既に20レベルまで取得している。
そこそこ美味しい料理と物凄く美味しい料理。値段が一緒ならどちらを食べますか?
ほとんどの人は後者を選ぶだろう。
同じ値段で物凄く美味しい料理を作れるようになるなら、20レベルまで取得するでしょう。
夜営の事で商隊の護衛の人達と少しもめた。
寝ずの番など要らないと言ったのに信じて貰えなかった。
護衛6人で3交代の当番制をするそうだ。
俺は25体のスケルトンを展開してテントの中でぐっすり。
翌朝、護衛の人たちに文句を言われた。
スケルトン達は俺を中心に展開している。
どうも寝ている間、俺が寝がえりを打つ度に一斉にスケルトン達が動くらしい。
静かな中、突然スケルトン達が配置換えするもんだからビックリするらしい。
そんなん知らんがなとは思うけど、寝ている間はテントを中心にスケルトンを展開した方がいいかも。
うん、次からそうしよう。
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