第22話 出発準備
エルガライズ商会に着くと既に馬車が4台停まっていた。
今は荷物を積んでいるみたいだ。
「おはようございます!」
まずは強烈な挨拶をぶちかます。
俺が親父である『
『挨拶と感謝と謝罪に礼節と気配りが加われば則ち天下無双なり』
要するにそれだけ忘れない様にしたら敵がいなくなるって言う事らしい。
モンスターは別枠だと思うけど。
現代社会にはモンスターはいなかったからなぁ。
まぁ最近はクレーマーとかペアレントとか居るみたいだけど。
周りから挨拶が返ってきたりする。
それを見まわしていると見知った顔がある。
そうそれは……とりあえず置いておいて番頭さんに挨拶に行く。
順番は大切だよね。
「今日からよろしくお願いします。もう皆さん集まっていますね」
7人の馭者と商人とその他の役夫が忙しく動き回っている。
「ええ、今日は天気も良さそうなので安心です」
馬車は雨で道がぬかるんだりしたら日程に影響が出るかもしれない。
「天気が良いまま続いてくれるといいですね。そうだ、馭者、商人用のアルコールなんて積まないんですかね?」
「う~ん、聞いてないなぁ」
「商会にエールの樽ありませんかね?あれば一樽欲しいのですが」
エール一樽買ってしまった。
・エール 40L 2,000G
他の人への挨拶もするべく廻る。
「ようハンス。久しぶりだな」
「久しぶりって昨日会ったばかりじゃないか」
「まぁ細かい事はいいんだよ。お前さんの馬車は何番目なんだ?」
ハンスは何でそんな事を聞くの?って顔をしている。
「さあ?決まっていないんじゃないかな?」
「じゃあ決めておこう。お前さんの馬車は2番目だ。荷台の後ろにスペースを開けといてくれ。俺が座るスペース。無きゃ自分で作るけど」
「う~ん、何とかなると思う」
「そうか、頼んだ」
馬はどうなっているかと思い見に行った。
馬で心配なのは唯一つ。
倉庫からスケルトンを取り出す。
「こればっかりは慣れてもらうしかないんだよな」
スケルトンの装備は仕舞って……
さすがに警戒するよね。
そこでじゃ~ん!
「ニンジンスティック!」
テッテケテッテッテーテーテー!
ん?何か聞こえた?
聞こえてないよね。
さぁ君たち、あげてきなさい。
スケルトンにえさやりを指示。
馬の頬を撫でながらえさをやるスケルトン達。
何とか仲良くなってくれないかなぁ。
あぁ、怯えちゃってる。
君たち、眼窩の奥で光ってるものの光量下げて。
番頭さん、積荷は何ですか?
壊れるようなものは2台目がいいですよ。
ええ、私が乗ります。
はい、いざとなったら無くなった様に見せることもできます。
荷台ごとですか?できると思います。
いえ、馬は嘶いたら分かっちゃうじゃないですか。
ええ、お任せください。
さぁ、出発だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます