僕の犯したしょうもない過ち
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僕の犯したしょうもない過ち
僕は高校生の時、恋愛において非常に大きな過ちを犯した。過ちの対象である彼女とは学校祭の準備期間に仲良くなり、学校祭が終わってからもデートっぽいことをしたり、彼女から悩みの相談を受けたり、席替えでは隣になったり、LINEはお互いに秒で返したりするようなそんな『良い』関係だった。
そうしてある時、意を決して行った告白で彼女にフラれてしまった。
理由としては、元カレのことを忘れることができないから、今でも彼のことが好きだから、そんな理由だったような気がする。告白のあと、彼女は今までのように『親友』でいてほしいと僕に言った。
その時は涙を呑んで『親友』を了承した。とても悔しかったが、これからも好きな彼女の隣で授業を受けられるし、休み時間には彼女を真正面に見据えておしゃべりを楽しむことができる。そう思うと、彼女の言う『親友』は悪くないポジションかもしれないと思えた。
しかし、そんなことは言っても『親友』に言えないことの一つや二つ、ましてや男友達の僕になんか絶対に言えないことが彼女にもあるわけで、ある時一人のクラスメイトが彼女について気になることをLINEで言ってきた。
「あいつ、私の元カレの○○とキスをして。あいつの元カレの××よりも、○○のほうがキスが上手かったって言ってたらしいよ。しかも元カレのこと好き好き言ってる最近のこと」
この発言を送ってきたクラスメイトのトーク履歴は消してしまったからして内容を今一度確認する手段はないが、ともかく元カレを理由に交際を断られた当時の若い僕からしてみれば、内容の真偽を確認することもせずにあの子との『親友』生活を終わらせた。
怒りにしか支配されていなかった高校3年生の冬、あの子の呼びかけは全て無視し、友人たちの彼女へのフォローも聞き入れない僕があの子に与えられるものは侮蔑の眼差しのみであった。
お前だってあの子が持つ元カレへの恋慕を知りながら、あの子へ告白したんだろ? あの子は地雷だって周りの友人も言って、それでも告白したんだろ? そうやって自分の行動を反省しようとすることもあった。それでも拭いきれない嫌悪感と、自分を選ばなかった彼女への憤怒が戻れない場所にまで来てしまっていた。そうして『親友』からもう関わりたくない人間へと彼女は成ったまま、僕らは高校を卒業した。
僕の怒りのマグマが冷えて固まってどこかにいった数年後、そんなときに開催された同窓会で彼女を見かけたが話すことはなかった。
向き合うのが怖かった、ということはない。ただ、もう僕が恋した『親友』はいないし、他の仲良い人たちと話す方が優先だったし、いや、こんなこと言っても全て言い訳に過ぎないかもしれないが、喋ることはなかったってそれだけの話なのだ。あの子という存在と向き合うには、僕が過ごしたあの頃はもはや昔すぎることだったのだ。
え? これが過ちだって? ああ、これじゃないんですよ。違うんですよね。
僕の言う過ちは学校祭の準備期間、かっこよく言うと全てが始まる前のグラウンド・ゼロとでも言うべき期間に起きたんですよね。
端的に言うと、学校祭の出し物を作っている最中にあの子のパンツが見えました。そのドキドキは今でも忘れられませんね。
いや、真面目な話をしてるんですよこれ。だって、僕が彼女のパンツを見ることがなければドキドキするエピソードはなかったわけで、好かれたくて急接近することもなくて、冒頭で説明したエピソードなんか一切起きなくて、僕が告白するなんてこともなかった可能性があるんですよ?
ですので、失敗の大元はあの子のパンツを見て、それに興奮して胸がドキドキしてしまったこと、そしてそれを恋愛感情だと思ってしまったこと、これに尽きます。いやあ、性欲って良くないですね。性欲さんには睡眠欲さんと食欲さんを見習ってほしいです。
この文章を読んだ方が、中学生・高校生、まあ大学生もか……それらの場合は自分の感情が恋か性的欲求かを考え直してみてください。もう大人だよ俺はって方はこんなエピソード自分にもあったなあ……なんて懐かしんだり、もしくは前述した彼らと同じように自分の感情を今一度、恋か性的欲求だったか考えてみてください。
以上が、性欲で勘違いをしてしまった残念な人間の過去です。楽しんでいただけたでしょうか? 僕は楽しめなかったです、思い出して少しつらかったです。
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