第9章 1話 大切な君


「さすが天使さん歌詞も振り付けもばっちりですね!」


いつものメイドカフェでひなさんとれんさん、そして蓮月くんと時間潰しをしている。


「みなづ、嫌、てん、ててて、天使さんはバイト中もずっと練習してましたからね」


ひなさんの言葉に蓮月くんが答えた。


「蓮月さんの天使さんの愛称慣れてない感じがとても面白いですね!」


蓮月くんの様子を見てれんさんは大笑い。

今回皆で集まったのは他でもない、えいなちゃんとねむちゃんの初ライブイベント"コスライズ"のためだ。

この間のコミコミで買ったCDになんと踊りとコメントが組み込まれたちょっとしたDVDと入ってた。


「この日のために毎日聞いてましたからね!コミコミのときのえいなちゃん今思い出しても可愛かったなー」





~冬コミコミ~



やっとあたしの順番がやってきた。

前の日にいろいろ何話そうか考えていたがいざ目の前に立つと頭が真っ白になる。

でもあたしがえいなちゃんに一番伝えたいこと。


「えいなちゃんおかえり」


たぶんたくさんの人に言われた言葉だろう。

でも誰よりも待ってたんだ。

えいなちゃんのこと。

そんなあたしの言葉に誰にでも返す"ありがとう"と言う言葉をくれた。

天使ちゃんと名前を添えて。

それだけでどれだけ嬉しいかお分かりいただけるだろうか?

ニコニコしてこちらを見ているえいなちゃんに目が合わせられない。

なんて輝かしいお方なんだ。

そんなことを考えてると


「今日も全部買ってくれますか?」


うるうるした瞳でこちらを見る。


「はじから端までよろしくお願いします!」


何をカッコつけてるのかわからないがスマートに言えた自分に拍手をした。

えいなちゃんが紙袋にあたしが買ったやつを詰めてると横からCDを直接渡してきた。


「あなたが噂の天使ちゃん?凄く可愛いんだね♪ねむも歌頑張ったから是非聞いて覚えてね♪天使ちゃん!」


ねむちゃんがあたしにCDをくれようとしたときえいなちゃんがCDを取り紙袋に入れた。


「ほら!ねむちゃんのお客さんも並んでるんだから手分けしてお渡ししよう」


ねむちゃんに笑顔で言い紙袋をあたしに渡した。


「わたしも頑張って練習したんだ、歌。苦手だったけど頑張ったんだよ。だから天使ちゃんにも聞いてほしいな。いい歌だから」










「コミコミのときえいなちゃんに完璧に覚えるねって約束したからね!あっ!そろそろ時間だ!えいなちゃんに会いにいこーー」


あたしたちはメイドカフェから出てえいなちゃん(ねむちゃんも)の待つスタジオへ向かった。



※今回の推しあるある


推しのお願いは守る


会わない期間があっても自分の名前覚えててくれるだけで感動ってかもっと推しをすきになる


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る