第2話

コスライズとはコスプレイヤー(えいなとねむ)のサプライズって意味で期間限定ではあるがアイドルグループとしてこの名前が付いたみたいだ。

あたしたちはコスライズのライブイベント会場にたどり着いた。

前もって買ったチケットを受け付けに見せ会場内に入る。

入り口近くにはイベント専用のグッズが。


「このキンブレ可愛い!待って!このTシャツも可愛い!この間と違うジャケのCDもある!これ全部ください」


あたしは隅から隅までグッズを買った。


「わー!みなさんいいですね!お揃いのTシャツ」


蓮月くんがあたしたちの方を見て言う。

先ほど買ったシャツに着替えたのだ。

蓮月くんにも買うように進めたがまだ早いと言われてしまった。


「そろそろ時間になりますし席に戻りますか」


ひなさんの言葉にあたしたちはチケットに書かれていた番号に移動した。

もちろん一緒にチケットを買ったので隣同士。

しばらくすると会場が暗くなった。


「みんなー!今日は来てくれてありがとう-」  


どこからかねむちゃんの声がマイク越しで聞こえた。


「みんなと楽しめるように一生懸命頑張るから付いてきてね」


えいなちゃんも後から喋った。

すると一筋の光が指しえいなちゃんとねむちゃんは2階にいた。

えいなちゃんたちは1階にいるあたしたちに笑顔で手を振り階段を降りてきた。

するとさっそく聞いたことある音楽が流れた。


「これは二曲目に収録されていた魔法チェンジ!」

 

あたしが一番最初に踊りを覚えた曲だった。

えいなちゃんの動きに合わせあたしも歌いながら踊る。

あぁー!コラボだよ!これはえいなちゃんとあたしのコラボレーションだよ!

えいなちゃんの歌声に合わせてあたしの声が重なる。これって合体と同じだよね?


一曲目が歌い終わるとまたすぐに二曲目、三曲目とどんどん歌われていく。

耳が幸せ~。

えいなちゃんって顔が可愛いだけじゃなくて歌声も可愛かったんだな。

えいなちゃんの歌声に酔いしれていたらもう次がラスト。


「楽しい時間はあっという間だね」

 

ねむちゃんは少し寂しそうに言った。 


「でもまだ一曲残ってるから今の時間を精一杯楽しもう!ラストはエンジェルハートです!」


エンジェルハート、それはバラード曲。

大好きな人に好きな人がいて自分が愛のキューピットになり成就させる歌。

凄く切なくてでも幸せそうななんとも言えない歌だ。


「今日は最後まで聞いてくれてありがとう!初ライブ緊張したけどみんなと楽しめて幸せだったよ」


ねむちゃんが衣装に付いていたリボンを取りファンに投げた。


「次いつライブやるかわからないけどまたみんなと楽しめるようにここに戻ってくるね!今日は本当にありがとうございました」


えいなちゃんもリボンを投げなんと蓮月くんのところに。



「ライブあっという間でしたね」  


帰り道れんさんがため息をつきながら言う。 


「羨ましいですよ!えいなちゃんのリボン!ねむちゃんのリボンも取れたはずなのに隣の人に引っ張られて横取りされるし」


なんとえいなちゃんのとねむちゃんのリボンは両方ともれんさんの近くに飛んできた。

だが両方ともれんさんは取ることが出来ずに落ち込んでいた。


「蓮月くん自分にもえいなちゃんのリボン見せてください」


ひなさんも欲しかったのかせめて拝むために蓮月くんに見せてもらった。


「いいなー蓮月くんは!えいなちゃんの愛をもらって...あぁーいいないいなー」


あたしは背後霊のように蓮月くんの後ろにつき小声でずっと唱えてた。


「おっと自分とれんさんはこっちなんでお先に失礼しますね」


今日は日曜日ってこともあり明日は仕事やら学校やらで打ち上げはしないで解散することになっている。


「なんかいつもイベント終わった後ご飯食べに行くのでここで解散は寂しいですね。ではまた!お疲れ様でした」


ひなさんたちとも別れあたしたちも電車に乗った。

二人だけだけどイベント終わりの打ち上げをジュースとお菓子で祝杯した。


「あっそうだ!これ」


突然蓮月くんが思い出したかのようにあたしに何かをくれた。




※今回の推しあるある


好きな人の声は耳が幸せになる


イベントで買ったTシャツはその場で着る


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