第2話


体育祭で一緒に応援団やって以来初瀬くんとは関わってない。

だって普段のわたしは初瀬くんみたいに目立つタイプではないから。

だから急に話があると言われても混乱するだけだった。


「月美ってもうコスプレやめたの?」


やっと話したと思ったらまさかのコスプレの話だった。

なんで初瀬くんがそんなこと気にするの?

そんなことを思いながら答えた。


「コスプレは少し前に引退したの。もう少しで受験もあるし東京との行き来はやっぱり大変だから。コスプレなら地元でもイベントあるし」


自分に言い聞かせるように淡々と話した。


「それでもお前のコスプレが好きで待ってるファンいるんじゃないの?」


わたしは胸がチクンとした。

最後のコミコミのことを思い出した。

わたしの判断は間違っていない、だって将来のこととか考えなきゃいけないじゃん。


「ひかりちゃ...天使さんはお前のコスプレ大好きでいつも幸せそうな顔してたよ」


天使ちゃん..。

下を向いていたわたしは顔をあげ初瀬くんの顔を見た。

初瀬くんはブランコから降りわたしの前にやって来てスマホを見せてきた。


「少なくとも天使さんは月美のこと待ってるよ!」


初瀬くんが見せてきたのは天使ちゃんのSNSだった。

冬コミコミが終わって1ヶ月立ったときの投稿だ。



<えいなちゃんが引退したって実感がようやく湧いてきた。いつもの日常なのにえいなちゃんがいなくてそんな毎日は退屈と寂しさでいっぱい!でもえいなちゃんは自分のために頑張ってるんだ!あたしも頑張ろう>


初瀬くんはこれだけ見せてもう帰ろう!送るよと言ってくれた。

わたしたちはお別れをし部屋に戻る。

天使ちゃんがまさかそんな投稿してるなんて、そう思いもう一度見てみた。


わたしが頑張ろうとしてる姿は天使ちゃんにも伝わって天使ちゃんにも頑張る力をあげれて。

引退はいけないことではないよね。

離れててもコスプレイヤーのえいなで...

そんなことを思いながらスクロールしていくと余白がありまだ下にいけた。



<でもね!もし、もしわがままを言っていいのなら>



さっき初瀬くんから見せてもらったので全部かと思ったらまだ続きがあることに気付く。





<えいなちゃんに帰ってきてほしい>



※今回のコスプレイヤーあるある


コスプレをしていることは公に言ってない

コスプレを脱いだら普通の女の子

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