第10話


カプセルホテルなのでイヤホンをしアラームをかけた。

朝、時間になり起きる。

朝と言っても3時だ。

あたしは周りの人たちに迷惑にならないよう蓮月くんを起こした。

それにしてもきれいな寝顔だ。

きっとえいなちゃんの寝顔も天使のように可愛いんだろーな。

そんなことを思ってると蓮月くんも目を開け起きた。

あたしたちはすぐに支度しコミコミ会場へ向かった。


「おはようございます!」


ひなさんとれんさんを見つけ話しかけた。

ここから開演まで長い戦いが始まる。

まだ朝日が昇ってないがたくさんの人がもう並んでいた。

近くに温かい飲み物を販売している屋台を見つけたので待ってる組と買う組に別れあたしと蓮月くんが買いに行った。


「これどれくらい待つんですか?」


この言葉にあたしは堂々と答える。


「5時間くらいかな?」


笑顔で言うあたしに蓮月くんは若干引いていた。

でも4人で話ながら待っていれば時間もあっという間に過ぎ開演まで残り1分。


「今日はえいなちゃんとねむちゃんのCDを買ってそのあと撮影会ですね」


ひなさんが今日の予定を話した。

もう少しで久しぶりにえいなちゃんに会える喜びと緊張と不安で押し潰されそうになっていた。

そして開演。

いつものように拍手をし冬コミコミが始まった。


「しっかり後付いてきてね」


れんさんが蓮月くんに言い歩き始めた。

ゆっくりと人の流れに乗りながらようやく本当にようやく中に入ることが出来た。


「えいなちゃんたちはこっちのブースだからまた並ぶよ」


中に入って終わりではない。

次は目的の場所まで向かいまた並ぶ。

これを繰り返すのだ。

とうとうえいなちゃんのいるブースにたどり着いた。

あの看板めちゃくちゃ可愛い。

スマホを手に取り何枚も写真を撮る。


「本人だけじゃなく看板まで撮るんだね」


あたしの様子に蓮月くんは笑った。

よかった。少しでも楽しめてるのかな?

そう思いながら順番を待ってるとえいなちゃんの姿が見えてきた。


ドキドキ

ドキドキ


手汗が滲む。

心臓が早くなる。

涙が出そうになる。


えいなちゃんがえいなちゃんが目の前に。

たった半年。

つい最近って言われればそうなのかも知れない。

でも言葉では表せない何かが体中から流れてそれを止めることは出来ないんだよ。


「えいなちゃんのいない生活はつまらなかったよ、えいなちゃんのいる世界で生活したいよ」


あたしの独り言が聞こえたのか蓮月くんが


「コミコミって素晴らしいところだね!水無月さんもえいなちゃんも凄く幸せそう」


そう言う蓮月くんの言葉にあたしはえいなちゃんを見ると笑顔でファンと話して楽しそうで嬉しそうで幸せそうだった。




※今回の推しあるある


本当に好きな人に会えると嬉しさが体全身に伝わって自分の体じゃないみたいになる


推しのいない生活はつまらない

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