第8話


今日は学校も休みで久しぶりにひまりとゆうすけが家に遊びに来てる。

もちろん話題はえいなちゃん。


「まさかこんなに早く復活するとは思わなかったなよ!ファンからしたら嬉しいけど」


確かに引退から復活のスピードは早い。

でもそれはえいなちゃんが言っていた、ファンの声に答えてとのこと。


「えいなちゃんも掲示板とか見てもう一度コスプレイヤーとしてみんなに会いたいって思ったんだよ」


ひまりの言葉にゆうすけはたまには良いこと言うなとひまりの肩をバシバシ叩いた。


「今回の冬のコミコミえいなちゃんが参加するなら俺たちも行こうかなと思ってるけどもちろんひかりも参加するよな?」


あたしはンー?と悩みながら返事をした。

ひとつ解決しなければ行けないことがあるからだ。

何も決まらないまま時間だけがどんどんと過ぎていく。

こうなったらと思いあたしはひまりたちに相談することにした。


「ひかりにそんな人がいたなんて知らなかったよ!もっと早く教えてよー」


ひまりが目をキラキラさせながら言ってきた。


「とりあえずその男友達に今のひかりの気持ちを伝えるのが一番なんじゃない?」


ゆうすけはあたしの話を真剣に聞いてくれアドバイスをくれた。

いろいろ話してるとあっという間に夜になり二人を玄関で見送り一本の電話をかけた。


「ごめんね!急に呼び出して」


家の近くの公園に蓮月くんがやって来た。

大丈夫!どうしたの?と言う蓮月くんにあたしは今日の昼、ゆうすけに言われたことを思い出し話した。


「蓮月くんがこの間もし年末予定なかったらお参り行こうって言ったでしょ?もしかしたら予定入って行けなくなるかもしれない」


あたしは下を向き謝る姿勢で言った。

ここ最近悩んでたこと。

それはえいなちゃんがもし冬のコミコミに参加するってなったら蓮月くんと約束していた年末のお参りが行けなくなることだった。

蓮月くんとの約束の方が早いのにえいなちゃんを見に行きたい衝動が激しくて。

最低だと自負している。

どうしてもえいなちゃんに会いたい。

でも蓮月くんとの約束も...。


「なんだ!そんなことか!いいよ!行ってきなよ、予定がなければ行こうってだけで予定が入るなら仕方ないよ」


少し寂しそうな顔を見せながら笑顔で言った。

なんて優しいんだろう。

そのとき蓮月くんが天使のように見えた。


「も、もしなら蓮月くんも一緒にえいなちゃん見に行く?イベントが終わったら東京でお参り行こうよ」


蓮月くんがえいなちゃんのこと興味ないことは知っていたがこれなら蓮月くんとの約束も果たせると思ったからだ。


「俺、ファンじゃないのにわざわざお金使って東京行くのはな」


そりゃーそうだよね。

ごめん!そう言おうとしたとき


「でも水無月さんの好きなものを知るのは良い機会だし一緒に出掛けられるなら!俺も行こうかな」


こうしてあたしの悩みが解決しえいなちゃんのコミコミ参加もあとからSNSで発表された。



※今回の推しあるある


推しの良く出るイベント(お盆と年末年始)は予定を開けとく







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