第2話


「えいなちゃんのこと知ってるの?わかる!えいなちゃん超絶可愛いよね」


そう言いたかったがさすがにここは教室。

今までえいなちゃんオタクって隠していたせいかなかなか聞けずにいた。

すると丁度良く先生が教室に入ってきたので自然にこの話も流れた。


学校も何事もなく終わり今日はバイトもない。

真っ直ぐ家に帰ることにした。


家につきいつものように制服からダル着に着替えベッドに横たわる。

いつもならえいなちゃんがそろそろSNSをあげる時間帯だ。

でも卒業以来えいなちゃんはすっかりSNSに現れない、それどころか今までのアカウントは存在はしているが見れないようになっていた。

自分のSNSに戻りボーッと見てると久しぶりにれんさんから電話が。


「お久しぶりです!天使さん!元気してましたか?」


半月前に会って喋ったはずなのにもう数ヵ月も連絡を取っていない感覚だった。


「そうですね、まあ...そこそこって感じです!それよりどうしました?」


ひなさんからの電話はよくあったがれんさんからの電話はあまりなかったので少し緊張した。


「冬コミコミが懐かしいなって思いネットサーフィンしてたんですよ!他の方が広場で撮ったえいなちゃんも見たかったですしえいなちゃん以外のサークルさんやコスプレイヤーさんも見たかったので」


確かにあたしたちはえいなちゃん目的でコミコミに参加しているから実際他のサークルさんのことなんて知らないしどんなコスプレイヤーさんがいたのかもわからない。

でもそれがどうしたのだ!えいなちゃんだけを見に行ってるのだからそれでいい!そう思ってるが静かに話の続きを聞いた。


「えいなちゃんの卒業ってことでコミコミの掲示板はかなり荒れてて、でもその中に新星のコスプレイヤーあらわるって書かれた記事があって見たらめちゃくちゃ綺麗で可愛くて」


れんさんは先程と違い興奮気味で話を進める。


「えいなちゃんは卒業しましたし心の中で応援して次はその子を追い掛けてみようかなと!一回でいいから見てみてくださいよ!写真送りますから!」


言いたいことだけ言ってれんさんは電話を切ってしまった。

その3秒後くらいにさっき言っていた写真が送られてきた。

ファイルを開いてみると昔えいなちゃんがコスプレしていたエリンとコスって言うアニメのキャラクター衣装を着ていた。

手足が長くおっぱいも大きい、顔は凄く整っててキャラクターを壊してないアニメに近いリアルに出てきそうな存在感。

写真を見てるときれんさんからまた電話が。


「可愛くないですか?ねむちゃんって言うんですよ」


あたしはその子を見た瞬間思った。


「れんさん、あたし...この子のこと...」




※今回の推しあるある


推しのSNS何回も見てしまう


推しがいなくなると新しい人にチェンジする場合もある


コミコミの余韻に浸りたいのでその話題を検索してしまう

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