第4話
コミコミがスタートすると早歩きの人や小走りの人がどんどん会場内に入ってくる。
わたしの場所は東7 お 05。
前もってSNSでは公表していたが初めてくる人は結構探すの大変だろう。
天使ちゃんたちはちゃんとわかってくれるだろうか?
そんな心配をよそに一直線にたくさんの人がわたしのところに集まって並んでくれた。
「今回のポスターも写真集もどれも可愛くて楽しみにしてたよ!ポスター2枚と写真集2冊ください」
「保存用と見る用と飾る用と友達にあげる用と持ち歩く用に写真集5冊ください」
「えいなちゃん会いに来たよ!友達が今日来れなくて友達の分も買っていいかな?」
たくさんの人がわたしの写真集やポスターを買ってくれた。
わたしは1人ひとり短いながらに楽しく会話とお礼を言った。
「えいなちゃん!会いに来たよ!今回も素敵な写真集、ポスター作ってくれてありがとう」
「あっ!ひなたさん!ありがとう。今回の写真集はほんとに気合い入れて頑張って作ったから感想とかSNSで教えてね」
ひなたさんが会いに来てくれた。
わたしがまだ無名のときから応援してくれている大切なファンの方。
そうあれは
~2年半前~
「みみちゃん凄い人だね、迷子になりそう」
みみちゃんに誘われ初のコミコミにやって来た。
辺りには人がごった返して冬というのに朝早くからみんな暖かい格好で並んでた。
「あと少しで始まるよ!そしたらゆっくり歩くからちゃんと付いてきてね」
10時になりコミコミは開催された。
みみちゃんの言うとおりゆっくり歩き始めた。
とうとう中に入りわたしたちは更衣室までたどり着く。
コスプレをする人がどんどんいろんなキャラになっていく。
わたしは回りを見渡しドキドキとワクワクが募る。
準備も終えわたしとみみちゃんはコスプレの衣装を身にまとい屋上の方へ足を運んだ。
地面が白く冬なのに日差しが強い。
わたしが空を見上げおでこに手をやる。
「えいなちゃん、ちゃんとホワイトボード持ってきた?」
みみちゃんが言うホワイトボードとは自分の名前(コスプレネーム)とSNSのIDを書いたプロフィール帳みたいなものだ。
これがあると名前を覚えて貰えたり写真を撮ってくれたときとかもらいやすいとか?
わたしは持ってきたよと言いキャリーバックから出した。
「じゃ、ここで撮影しよう」
みみちゃんはキャリーバックの前にホワイトボードを置き自撮りを撮る。
「えいなちゃんも自撮り撮って今日はここにいますってSNSに乗せなよ」
何から何までみみちゃんはいろいろ教えてくれた。
わたしも自撮りを撮りSNSに乗せると1人の人が話しかけてきた。
「あのー!お写真いいですか?」
突然のことでびっくりしたがわたしはお願いしますと言いポーズを取った。
「ありがとうございます!この衣装ってあの深夜アニメの主人公の...」
「はい!そうです!わかってもらえてよかった」
そんな話をしているとわたしのホワイトボードに気付き写真をタグ付けしてSNSに乗せていいか聞かれた。
わたしはこのためのホワイトボードなのかと改めて理解したのと同時に嬉しくて了承した。
わたしたちが話していると他の人も来てお写真よろしいですか?と言われた。
「あっすみません!それではあとでSNSに乗せますね」
待っている人に誤りわたしにそれだけ言って去っていった。
それがあとになって名前がひなたさんだってことがわかった。
※今回のコスプレあるある
人それぞれだがホワイトボードや板、厚紙などにコスプレネームとSNSのIDを書いて置いとくと輪が広がり写真などもらいやすい。
SNSで繋がれる。
写真を撮るときはコスプレイヤーさんに許可を撮ったりする
コミコミでは走ったりはしてはいけません
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