第2話
「そのドレスと傷で撮るってどう言うこと?とりあえず消毒しないと」
若野さんがわたしの前にしゃがみ足の傷を見ながら言った。
「大丈夫ですよ!」
わたしは縦に破けたドレスのスカート部分を持ち近くの机の上にあったハサミを手にした。
「ちょっ!えいな!」
若野さんが慌てた様子で何かを言いかけたがそんなのお構い無しにわたしはスカートにハサミを入れた。
横に乱雑に切りザクザクのミニスカートになった。
足元に気をつけて撮影スタジオまで行く。
「お願いします」
わたしはカメラマンさんに笑顔で答えポーズをとった。
それは先ほどのエレガントな雰囲気とは違いセクシーで、でも壊れそうで儚い姿だった。
「えいなさん...凄くいいよ!その流し目もその切ない表情も」
パシャパシャとシャッターの切る音がスタジオに響いた。
スタッフたちはえいなが作った雰囲気に完全に魅了した。
撮影を終えるとさっそくチェックに入る。
先ほどの堂々としていた姿とは違って普通の中学生の顔になってた。
「この写真とてもいいです。わたしの思い描いた通り!写真集やポスター出来るの楽しみになってきました」
~撮影前~
「どうしよう...わたしのせいで撮影が止まってしまった。なんとかしないと」
わたしが困っているとSNSに1通のコメントが。
<えいなちゃんの写真集すんごく楽しみにしてるね♪ってか写真集見なくてもわかる!もう可愛いw>
<天使さんまだ見てないのにもう可愛いってwでもその気持ちわかりますよ!自分もそう思いますから!>
<ひなさんもそう思いますか?えいなちゃんが作る世界観ほんとに大好きで!たぶんハプニングとかあっても乗り越えていい作品とか作るんだろうなー!例えばロングスカートの衣装が必要なのにミニスカートを持ってきちゃったってなっても>
わたしのSNSのコメント覧で天使ちゃんとひなさんが楽しそうに会話していた。
「ロングスカートが必要なのにミニスカート持ってきちゃった...?」
「にしてもえいなさんさっきは凄い機転だったよ。スタッフさんや俺たちカメラマンが慌ててたのにえいなさんは落ち着いて新しい作品を作ってくれた」
ありがとう!勉強になったよ!
そう言われわたしは頭を下げこちらも改めてお礼を言った。
帰りの車の中若野さんも凄く褒めてくれた。
「元々のドレスも凄く可愛かったけどえいながアレンジしたらもっと可愛くて息を飲んだよ」
「実は困っているとき天使ちゃんからSNSにコメントが来て...」
そんなことを話しているとお家についた。
わたしはお礼をいい車から降りて家に入った。
今日は本当にいろいろあったけど楽しかったな、そんなことを思いながらお風呂に浸かる。
いつものルーティンでSNSを開き投稿。
<今日は撮影頑張ったよ♪みんなに早く見てもらいたいな!冬コミコミまであと少しみんなに会えるの楽しみにしてるね>
SNSを書き終えお風呂からあがった。
今日は疲れてるのか少し早めに寝た。
そして時はあっという間に過ぎ明日から冬コミコミがスタートする。
※今回のコスプレあるある
みんなの応援が力になる
コスプレは楽しくするもの
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます