第8話
「お帰りなさいませ、ご主人様!お嬢様」
えいなちゃんが笑顔で迎えてくれ紙を渡された。
人生初めてのメイド喫茶にドキドキとワクワクとちょっぴり緊張した。
えいなちゃんがたくさん入ってくるお客さんを入り口でお出迎えしている最中あたしたちはそこを通りすぎ奥に入っていた。
可愛らしいメイドさんに席を案内され一息つく。
「えいなちゃんも可愛いですが他のメイドさんも可愛いですね」
れんさんが辺りを見渡しながら言った。
「そうですか?やはりえいなちゃん以上の可憐な女性はこの世に存在しないんだなと再認識したところなのですが..ねぇ?天使さん」
今度はひなさんがあたしに話しかけてきた。
でもあたしはさっきのSNSが気になって仕方なかった。
「天使さん?聞いてますか?」
もう一度話しかけられあたしは、ハッとした。
「す、すみません!なんですか?」
あたしは慌てて聞き直すとえいなちゃんがこの世で一番可愛いですねと言うので全力でもちろんですと答えた。
「あ、あのぉー...ご主人様、お嬢様お話中のところ申し訳ございません!メニューの方はお決まりになられましたでしょうか?」
突然えいなちゃんがあたしたちの席にやって来て照れた表情で聞いてきた。
やばーい!さっきの話聞かれちゃった。
あたしは顔をメニュー表で隠した。
「天使さんそれだとメニュー選べませんよ」
れんさんが笑いながらあたしからメニュー表を受け取りオススメと書かれてるやつを3つ選んだ。
「少々お待ちくださいね♪」
えいなちゃんがメイド服をヒラヒラさせながらキッチンに向かっていった。
「えいなちゃん...昨日も可愛かったけど今日も超絶可愛い」
あたしがボソッと独り言を言うとひなさんが突っ込んできた。
「昨日もってなんですか?可愛かったってどういうことなんですか?」
前屈みになりながら真剣に少し声をあらげながら聞いてきた。
どうしよう...これは秘密なのに。
あたしがなんて話そうか悩んでいると違うメイドさんがやって来た。
「ご主人様!これ見てください」
メイドさんがiPadを渡してきた。
そこにはこのメイド喫茶のSNSが。
「お嬢様はこちらの写真を見たんですよね?メイド喫茶のSNSなんて通ってくださる人しか基本見ないですもんね」
メイドさんがあたしに向かって笑顔で言ってきた。
そのSNSには明日(今日)1日限定で今話題のコスプレイヤーえいなちゃんが遊びに来てくれます!
可愛いえいなちゃんを見に来てね!
と言う写真付きの投稿がされていた。
メイドさんに助けられた。
あたしがメイドさんの方を見るとウインクしながらあともう少しで出来るので待っててねと言い戻っていった。
「なんだ!ここのSNSがあってえいなちゃんが映ってたなら教えてくださいよ。大きな声を出してすみません」
ひなさんが笑顔で言った。
あたしもそれに合わせて
「言うの忘れてましたよ!こちらこそすみません」
メイドさんのお陰で助かった。
こうしてひなさんと仲直り?をしてしばらくしたらえいなちゃんが注文したお料理とジュースを運んできてくれた。
「それでは先ほど配りました紙を出してください」
紙とはメイド喫茶に入ったときえいなちゃんがくれたこの小さな紙。
さっきまで気付かなかったが開けるところがあった。
「それでは開いてみてください」
えいなちゃんの声に合わせてあたしたちは開いた。
「えいなちゃん?何も書いてないけど」
れんさんが言うとひなさんも何も書いてないみたいだ。
「天使さんは何か書いてありました?」
れんさんに聞かれあたしはみんなが見えるようにテーブルに紙を置いた。
「おめでとうございます!天使ちゃん!」
えいなちゃんが笑顔で言いテーブルに置いてあったケチャップを取った。
「美味しくなーれ美味しくなーれ」
そう言いながらえいなちゃんはあたしが注文したオススメメニューのオムライスに相合い傘を書いた。
もちろん名前はえいなちゃんとあたしの名前だ。
「天使さんすごいじゃないですか」
「羨ましいですよ」
れんさんとひなさんが驚きながら言った。
そういえばひなさんが限定1名様にオムライスに何か書いてくれるって言ってたな。
それを思い出してあたしはテンションがMAXになった。
えいなちゃんがケチャップで書いてくれたオムライスは食べるのが勿体なかったがお腹も空いてたので写真だけ撮って食べた。
時間もあっという間に過ぎいよいよチェキ会。
メイド喫茶の前の方にステージがある。
そこに今回イベント参加が集められ一人づつチェキを撮る。
「前回は倒れて一緒に撮れなかったから今回はリベンジだ!」
もう少しであたしの番がやってくる。
※今回の推しあるある
自分の知らない情報があるといてもたってもいられない
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