第5話


振り向くとそこには天使がいた。


「えいなちゃん...」


目が合いあたしが声をかけようとしたとき電話が鳴った。

あたしはスマホを開きその着信に気を取られてる隙にえいなちゃんはりゅうくんに伝えることを伝えすぐ走って行ってしまった。

そうこうしてる間に10分休憩が終わり、りりちゃんたちは持ち場に戻っていった。


「もう、なんですか?」


今も鳴ってる着信にあたしは少しプンプンしながら出た。


「お久しぶりです!がもしかして今天使さんはご機嫌斜めですか?」


ひなさんが少し笑いながら言ってきた。

あたしは今えいなちゃんに話しかけようと...と言いかけてやめた。

えいなちゃんのプライベートを人に話すのは良くない。

それにあたしだけの特別にしたいから。

そんなことを思ってるとひなさんが


「もしもーし?聞いてますか?」


ひなさんが何か話していたがあたしは聞いてなかった。

我に返りもう一度お願いしますと言いひなさんの話を聞いた。


「明日えいなちゃんのイベント本当に行けないのですか?れんさんも来ると言ってますよ?」


れんさんも来るのか。

久しぶりにみんなに会いたいな...そんなことを思ってると


「明日メイドえいなちゃんとチェキ会あるんですよ?しかも抽選で1名様にえいなちゃんがオムライスに何か書いてくれるって言うスペシャルファンサが!」


それを聞いた瞬間、今着ているメイド服のえいなちゃんが頭の中で出てきた。


「天使ちゃんのためにえいな頑張って作ったよ!もーっと美味しくなるように魔法をかけるね♪えいな、えいな、えいなでキュン!」


オムライスを持ってきてくれたえいなちゃんは上目使いで皿を置き胸の前に指でハートを作り左右に動かしながらウインクをして最後に指で作ったハートをオムライスに向けてキュンと言った。


「萌え!萌えだよ!えいなちゃん!天使ー。愛してるーーー」


「あの...天使さん?だから話聞いてます?」


ひとりで妄想していてまた話を聞いていなかった。


「とりあえず報告はしましたよ!」


ひなさんが電話を切ろうとしたときふと思った。


「待ってください!なんでそんなこと知ってるんですか?そんな知らせありましたっけ?」


毎日えいなちゃんのSNSをチェックしてるからそんな大事なこと絶対見逃すはずはない。

そう思っていた。

だがひなさんが言うには電話する5分に投稿されたらしい。

ちょうどえいなちゃんたちの体育祭休憩の時間だ。

ひなさんにはもう一度改めて明日のこと考えといてくださいと言われ電話を切った。


「ひかりちゃん!ここにいたのね、次りゅうくんの番だよ!」


りりちゃんのお母さんに呼ばれあしたは戻った。

プログラムを見ると借り物レース。

そして順番を見たらえいなちゃんが最初に走る。

あたしはりゅうくんたちのいる場所に目をやると体操着姿のえいなちゃんが。

もうここは天国なのですか?


「位置について....用意....ドン」


さっそくレースが始まる。

えいなちゃんが走ってる。

えいなちゃんが動いてる。

えいなちゃんが頑張ってる。

えいなちゃんが紙を拾って

えいなちゃんが紙を開いて。


いやー!なになに?全てが可愛い!

本当は写真取ったり動画撮ったりしたいがあたしはグッと我慢して目に焼き付けた。


えいなちゃんは何かを探してキョロキョロし出した。

あぁ...愛しい。

キモい顔をしながらえいなちゃんを見ているとだんだんえいなちゃんが近付いてきた。



※今回の推しあるある


プライベートでもし会ったとしても推しの迷惑にならないように行動する。

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