第5話


まだ少し遠くに見えるえいなちゃんでもバッチリとアニメの衣装を完璧に着こなしているのがわかる。

アニメに忠実に作られた衣装、えいなちゃんの完璧なるスタイル、そしてアニメ主人公そっくりのメイク術、ウィッグは難しいと言われる髪のハネまでも完成度がかなり高い。


あそこまでアニメの主人公みたく作れるだろうか?

二次元に近い顔とスタイルは見る人を虜にしウィッグはまるで本物の地毛のように見せれる凄さ。


前の人達が順番にグッズを購入、そしてそのグッズをえいなちゃんから直接お渡しされ、その買ったグッズと共にえいなちゃんとチェキ。

段々とあたしたちの番が近く。

そしてえいなちゃんとの距離も近く。

このイベントは抽選で30人しか参加出来ない。

参加するにもお金がかかった。

でも今日のえいなちゃんを見るためにバイトを頑張り蓮月くんから休みを変わってもらって。


「今日来れてよかった」


しみじみ、えいなちゃんを見て思った。

そしてあたしの番があと少しってところでえいなちゃんあたしたちに気付き手を振ってきた。


「天使っっ」


あたしはその笑顔にまるで銃を打たれたかのように鼻血を出し倒れた。


「大丈夫ですか?天使さーん」


「天使さーーん」


誰かの声が頭の中で聞こえる。

あたしはゆっくりと目を開け辺りを見渡す。

ここは?

確かあたしはえいなちゃんのイベントに参加してもう少しでえいなちゃんを間近で拝めて....。

段々と思い出してきた。


「チェキ会!」


あたしは勢い良く横になっていたベッドから起き上がった。


「天使さんよかったです!いきなり倒れたのでビックリしましたよ」


れんさんが安心したような顔で言ってきた。

ひなさんも声をかけても起きなかったあたしを救急車に電話して付き添ってくれ起きるまで側にいてくれた。


「睡眠不足と貧血とあと興奮による心拍数の上昇が原因だったみたいですよ!本当、天使さんらしい」


ひなさんが笑いながらお水をあたしにくれた。


「せっかくのイベント...。なんのために今日まで頑張ってきたのか...」


あたしは悲しくなり泣きそうになった。

そんなあたしを二人は見て何かを渡してきた。



※今回の推しあるある


推しの姿を見るたびに前回よりも好きになる

好きな場所がまた増える


興奮して前日の夜はなかなか眠れない


イベントに参加出来ないと死ぬほど悲しい

まじ泣ける

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る