第4話
「えいなちゃん公式コスプレ楽しみですね!あたしもう、昨日からワクワクしてバスの中寝れなかったですよ!あっこれ地元のお土産です」
今日は公式コスプレイヤーのイベントで東京にやってきた。
ひなさん、れんさんと待ち合わせをしてイベント会場に着いたところだ。
お互いに地元のお土産を交換しカバンに入れた。
「それよりさっきの話詳しく聞かせてくださいよ」
ひなさんがニヤニヤしながら聞いてくる。
さっきの話。
それは先月、蓮月くんとお出かけしたときの話だ。
「えーっとどこまで話ましたっけ?」
イベントが始まるのは13時。
それまであたしたちは順番に並び待機している。
「帰り道、バイトくんから付き合ってと言われて~からですよ」
待機時間をいいことにあたしの話で時間を潰そうとしてるのかと思ったが話の続きをした。
あのあとあたしは蓮月くんを置いて走って帰った。
そのあと何回かバイトの日が被ったが特にいつもと変わらなかった。
蓮月くんも普通に話しかけてくれるしあの時のことも聞いてこない。
「もしかしたらあたしの聞き間違えだったのかもしれませんね」
笑いながら話していると静かに聞いていたれんさんが話に入ってきた。
「たぶんそれ聞き間違えじゃないと思いますよ!その蓮月くんって僕の弟だと思うから」
ケロッとした顔でサラりと言ってきた。
「「えぇー!」」
あたしとひなさんがビックリし叫んだ。
「ほら、僕のSNSネームれんでしょ?それ名字から取ったんですよ!蓮月なんてなかなかいないし間違いないと思います」
頭を掻きながら笑顔で答えた。
でも確かれんさんは神奈川の人、蓮月くんはあたしの地元にいるし...頭が混乱した。
「僕は専門学校に通うために神奈川に行ったんだ。だから地元は天使さんと同じですよ、話してなかったですかね?このお土産出陣餅ですよね、懐かしい」
その話を聞いてようやく理解出来た。
だったらもっと早く教えて欲しかった。
同じ推しを好きで同じ地元だなんてめちゃくちゃ嬉しいことなんだから。
「いいですね、同じ地元話。こちらは輪に入れませんね」
ひなさんが少し膨れっ面をし嫉妬していた。
なんかそれが面白くそして可愛くてあたしとれんさんは笑った。
「お待たせいたしました。時間になりましたのでゆっくりこのまま前に進んでください」
スタッフが扉から出て来た。
時計を見ると13時。
あっという間にイベントの時間になっていた。
遠くの方でえいなちゃんが笑顔で手を振っている。
※今回の推しあるある
推し仲間に会うと地元のお菓子を交換したりする(オリジナル名刺なども)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます