第3話
「水無月さーん!こっちこっち」
今日は蓮月くんとお出かけの日。
あの交換条件から二人のシフトを見て同じ休みの日を見たら今日だった。
「お待たせしました」
あたしは少し小走りで蓮月くんのところにやってきた。
「そんな急がなくても大丈夫だよ、それより今日の水無月さん可愛いね」
さらっと言う。
今日の朝、ママにバイト仲間と出掛けると話すとやたらと男か?と聞いてきた。
男だよと言うといきなりママはワンピースを持ってきてこれを着ろと言いあたしに渡してきた。
「このヒラヒラのワンピース、あたしっぽくないよ」
ピンクの可愛らしいお洋服。
これえいなちゃんが着たら絶対似合って可愛いだろうな。
あたしは妄想しヨダレが垂れそうだった。
「ちょっと、ほら時間に間に合わないからとっとと着てデートしてきなさい」
間に合わないからと言う言葉にあたしは時計を見てもう何でもいいやと思い着替え、今にいたる。
「それより蓮月くんはどこに出掛けたいの?」
蓮月くんは世に言うイケメンだ。
髪の毛は茶髪で毛先が少し金っぽい。
笑うと可愛らしいく性格も優しくて頼りになる。
そんなやつがわざわざあたしを誘ってお出かけなんて何考えてるんだろう?
ひょっとしてこの間えいなちゃんの話したから興味持ったとか?
そんなこともあろうかと実はカバンの中にえいなちゃんグッズを潜ませてきた。
「水無月さん?おーい」
あたしがえいなちゃんのことでニヤニヤして蓮月くんの声を聞こえないでいると突然手を握られた。
「え?あっ!蓮月くん?」
わけもわからず握られた手はあたしをひっぱり歩き出す。
「れ、蓮月くんどこに?」
あたしの質問にも答えず歩き続けた。
「着いたよ」
ここは地元で有名な水族館。
ここは去年新しく建て直し日本一ペンギンが多い場所として有名になった。
「小さいころは良く水族館行ってたけどこの年になって初めて」
急にあたしはワクワクしてきた。
あたしの手を握り笑顔で蓮月くんは行こうと言う。
そのまま引っ張られ中に入る。
お金を払おうとすると蓮月くんは先にあたしの分まで払ってくれた。
変なの。
そんなことを思いながらもお礼を言った。
「見てみて、ペンギンだよ!可愛い」
あたしは蓮月くんの手を離し、ペンギンを見た。
その様子を見て蓮月くんもニコニコしていた。
それからいろんなお魚やイルカショーを見て回った。
気付けばもう夕方。
「あぁー!楽しかった。蓮月くん、今日は本当にありがとう」
あたしは改めてお礼を言った。
すると蓮月くんはあたしの手を取り何かを渡した。
「ん?なに?」
見てみると小さな袋が。
中を開けてみるとさっきお土産屋さんで見て可愛いと思ったキーホルダーだった。
「欲しそうにしてたから」
蓮月くんはまたサラっと言う。
「どうして?」
あたしは今日不思議でたまらなかった。
交換条件で出掛けようとなったのにあたしは一緒に出掛けただけで蓮月くんに何もしていない。
「俺、前から水無月さんのこと気になっていたんだ!よかったら付き合ってほしい」
いきなりのことでビックリしあたしは逃げてしまった。
※今回の推しあるある
出掛けるときも推しグッズを携帯する
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