第2章 1話目 天使さんのこととても気になるんです


月美(つきみ)えいなは小学6年生のとき友達に誘われコスプレを始めた。

元々アニメが好きだったわたしはどんどんコスプレの虜になった。

初めて行くイベントに緊張はしたがとても楽しかったことを今でも覚えている。

しばらくすると友達からわたしがネットにあげられていることを教えてもらった。

そこからSNSも開始し少しだけどファンの方がついた。


<今日は給食がなくてお弁当です!大好きなものが入ってて嬉しい>


他愛もないツイートだけどここ最近熱心にコメントをしてくれる人がいた。


<えいなちゃんのお弁当美味しそう。一緒に食べたい>


今日も何気ないツイートに一番に反応してくれた。

名前はえいなちゃんまぢ天使さん。


「どんな人なんだろう」


あたしはこの天使さんのことが気になっていた。

天使さんのページに行くとひなたさんや、れんさんとも仲良いみたい。

今年の夏コミで会えたらいいな。


中学生になったときコスプレを教えてくれた友達が転校してしまった。

それでもわたしはコスプレを続け夏コミに出展するROMを制作した。


「完成した。難しかったし大変だったけど一人でも多くの人に見てもらえたらいいな」



夏コミ当日わたしは数は少ないけど一生懸命作ったグッズをテーブルの上に並べた。


「よし!準備オッケー!手伝ってくれてありがとう、みみちゃん」


なんとコスプレを教えてくれた友達に今日のことを話したら手伝いに来てくれたのだ。

転校しても連絡は取っていて久しぶりに、みみちゃんに会えてとても嬉しかった。


イベントが始まり緊張が高まる。


「ファンの方来てくれるといいけど」


「大丈夫だよ!一生懸命作ったんだしそれに例の人も来るってコメントしてあったんでしょ?」


そんなことを話しているとれんさんが来てくれた。


「れんさん来てくれたんだ!ありがとう!すぐに場所わかったかな?」


れんさんとしばらく話していると後ろの方でひなたさんの姿も見えた。

ひなたさんと一緒にいる女の子誰だろう?

凄く可愛い!

って女の子もわたしのブースに並んでくれた。


「初めまして!来てくれてありがとう!」


女の子のファンは今までいなかったから凄く嬉しかった。

よくよく名前を聞くとまさかわたしの気になっていた天使さんだった。

勝手に男だと想像していたがこんなに可愛い子だったなんて。

天使さんはその日端から端までグッズを全部買ってくれた。

選んでる姿も可愛い。


「これ全部お願いします!」


両手いっぱいにわたしのグッズを持って話しかけてきたが見とれてて天使さんの声が聞こえないでいた。


「えいなちゃんったら!嬉しすぎて感動しちゃってるのかな?えいなちゃん?天使さんが買ってくれるって!」


みみちゃんに話しかけられ我に戻る。

会計が終わり天使さんは行ってしまった。



「お疲れ様!全部売れてよかったね!それに例の人も来てくれたじゃん、でもまさか女の子だったとは」


みみちゃんも興奮して話しかけてきた。

なんとかグッズはすべて売れた。

頑張って作ったかいあって完売は嬉しい、でも何より天使さんに会えて嬉しかった。


「天使さん凄く可愛くてビックリしちゃった、明日も来てくれるみたいだから楽しみ」


今日はあっという間に終わりわたしとみみちゃんは早めに片付けをしホテルに戻った。



※今回のコスプレイヤーあるある


友達のきっかけでコスプレを始めたりする


同性の人が会いに来てくれるとテンション上がる

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