第10話


今日はコミコミの二日目、ひなさんと昨日仲良くなったれんさんと共に朝早くから並んだ。

さすがに二日目だけあって人が昨日より多くみんなのボルテージも上がっていた。


「さっきえいなちゃんSNS更新してくれましたね!情報によると10時30分に屋上にいるみたいです」


えいなちゃんのSNSがいつ更新来てもすぐにわかるようにあたしは連絡が来るように設定してあった。

コミコミ二日目がスタートすると早歩きであたしたちは屋上へと行く。


「あっえいなちゃんいましたよ!えいなちゃん!」


ひなさんがえいなちゃんを見つけ声をかけた。

その声に気付きえいなちゃんはこちらの方を向いて小さく手を振ってきた。

まだ誰もえいなちゃんの周りにはいなかった。


「えいなちゃんめちゃくちゃ可愛いです!天使です!」


あたしは涙が出そうになった。

えいなちゃんの言うとおり昨日買ったブロマイドにあった衣装を見にまとってた。

髪がロングのピンクでイチゴパフェをイメージした衣装。

おへそがチラ見し、下はふわふわのパニエ。

えいなちゃんが動くたびに髪がゆらゆら揺れパニエはヒラヒラと動いて息をするのも忘れるくらい美しい。

あたしが見とれていると二人はすでに写真を撮っていた。

あたしもカバンから昨日買ったカメラを取り出しレンズを覗いた。


待って、待って!どの角度から覗いても可愛い!

後ろ姿は凛々しくて横顔はキレイで正面は...もう言わなくてもわかるよね!

あたしは今日のために生まれてきたんだと確信した。


「えいなちゃん可愛い!こっち向いて」


あたしはレンズを覗きながらえいなちゃんのベストショットを撮るべく声をかけた。

するとえいなちゃんも笑顔でポーズを撮ってくれた。


写真も100枚近く撮り終ええいなちゃんにお礼を言う。

※使い捨てカメラ4つ買った


「えいなちゃんたくさん可愛いをありがとうございます!この写真は家宝にします!」


あたしが喜んで言うとえいなちゃんが


「天使ちゃんは大袈裟だな。ならよかったら...」


と言いあたしの手を取りえいなちゃんの方にグッと近付けスマホを取り出し写真を撮った。

えいなちゃんとのツーショット。

あまりに突然でちゃんと顔決められなかった。

あたしもえいなちゃんのツーショット欲しい、そう思ってるとあたしのスマホでも撮ろうと言ってくれた。

あたしはすぐにスマホを取り出しナナメ45度にセットし撮ろうとした。

だがあたしの手はめちゃくちゃ震えていてなかなかボタンを押せない。


「えいなちゃんすみません、緊張しちゃって」


あたしはなんとか手の震えを止めようともう一つの手で押さえたがなかなか止まらなかった。

仕方ない。


「えいなちゃん撮ります!3、2、1」


短い時間でもえいなちゃんを待たせることはいけない。

あたしは震えながら写真を撮った。

撮った写真を確認してみたらちゃんとキレイに映っていた。

よかった、さすがキレイに盛れるアプリ!手振れ防止機能が働いてた。


「ありがとう!よかったらSNSに写真載せてね」


えいなちゃんがそう言いひなさんたちとお話し出した。

あたしはさっそくツーショットを待ち受けに設定。


しばらくするとあたしたちの他にえいなちゃんのファンの方が集まってきてあたしたちは離れることにした。

涼しい場所に移動し腰を降ろす。


「そう言えばネットで話題になった割りにあんまりファンの方集まらなかったですね!いや、10人くらいは後半集まりましたけど」


あたしは疑問に思い二人に質問してみた。


「確かにネットでこのコスプレイヤー可愛いって話題になってましたがいろんなコスプレイヤーのお話が出来る掲示板ですからね!えいなちゃん以外のコスプレイヤーさんのお話もありましたから一瞬で埋もれたのかもしれませんね」


ひなさんが寂しげな顔で言った。


「でも僕はこれくらいが丁度いいですけどね!人気になりすぎると競争率激しくなりますしお話も出来なくなりそうですから」


れんさんの言う通り今の状態ならえいなちゃんとたくさん絡める。

でも...

えいなちゃんが埋もれる?

そんなことない!

確かにここにいるたくさんのコスプレイヤーさんはスタイルもいいし可愛い人が多いけどえいなちゃんはオーラが違う。

そしてあたしは思った。


「えいなちゃんは天使以外あり得ない!もっといろんな人に認知されるべきだよ!もっともっとみんなに知ってもらえるように推し事頑張る!」


そしていつかえいなちゃんは、あたしが想像したよりも遥か上に行くコスプレイヤーになることをまだ誰も知らない。



※今回の推しあるある


推しのSNSは頻繁に見て情報ゲット


推しが可愛すぎるからとりあえずたくさんシャッターを切る


どの角度から見ても天使


推しが一番大好きだからいろんな人に知ってもらいたい

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