第8話
えいなちゃんのサークルに二人いたのであたしたちはその人たちの後ろに並んだ。
前の人たちはグッズを買いえいなちゃんと楽しくお喋りしながら握手をし去って行き次はひなさんの番だ。
「あっひなたさん!冬のときは画像ありがとうございました。今回は初めてのサークルで誰も来なかったらどうしようって思ったけどひなたさんが来てくれて嬉しい」
初めて聞くえいなちゃんの声は耳が幸せになった。
えいなちゃんはひなさんのことをちゃんと覚えててひなさん嬉しいだろうなってひなさんの名前ってひなたなの?
そんなことを思ってると自分の番がやってきた。
「初めまして!女の子だ、嬉しい!可愛い!お名前なんて言うんですか?」
えいなちゃんがあたしの手を取り聞いてきた。
いやいや、可愛いのはあなたでございます!
「え、えいなちゃんまぢ天使って....名前で活動してます」
今更ながらなんであのときちゃんとした名前を付けなかったんだと後悔した。
するとその名前を言った瞬間えいなちゃんはビックリした顔で
「わかる!あれはあなただったんですね!いつも応援ありがとう。でもなんか照れちゃうな...なんて呼ぼうかな?」
えいなちゃんがものすごい笑顔であたしに聞いてきた。
もう死んでもいいですか?
倒れる一秒前です。
って何言ってるんだ、あたしは意識を取り戻し答えた。
「て、天使さんで...」
バカバカ、ここは「ひかり」って呼んでくださいだろう。
あたしは頭の中で大粒の涙を流した。
それでもえいなちゃんが笑顔「天使ちゃん」って呼ぶものだからあたしの頭の中のあたしが興奮のあまり腹筋をし喜んだ。
「天使ちゃんよかったら頑張って作ったROMがあるから手に取ってみてね」
生えいなちゃんを見て興奮して忘れていたがここに来たのはグッズを買うため!
後ろに並んでる人もいるため、あたしは早めに端から端までグッズを買った。
「天使ちゃんありがとう!明日もいるのかな?明日はそのブロマイドのコスプレするから良かったら見に来てね!」
お会計が終わったあとえいなちゃんは最後にもう一度話してくれて手を振り別れた。
「ひなさん...あたし、えいなちゃん好きです」
えいなちゃんグッズが入っている紙袋を握り締め改めて好きだと確信した。
「知ってますよ!でも負けないくらいこちらも好きですけどね」
その言葉にあたしの方がもっと好きだし、いやいやこちらの方が...っと繰り返し話した。
「あの...すみません、さっきえいなちゃんのサークルに並んでた方ですよね?」
ひなさんと言い合いをしていると後ろから誰かに話しかけられた。
振り向くとそこにいたのは。
「誰ですか?」
めちゃくちゃ失礼なことを口走ってしまったと思いながらも本当に誰ですか?
あたしがわからないでいるとひなさんはその人に返事をした。
「あぁー!先ほど目の前で並んでいた...」
「そうです!僕、SNSでれんと言います」
れん?聞き覚えがあるな。
そんなことを思ってSNSを開くとフォロワーさんだった。
「あたし、れんさんとフォロワーでした。」
そう言うとれんさんは笑いながらやっぱりと言った。
れんさんがえいなちゃんのサークルから離れてあたしたちの番になったとき会話が聞こえたらしくピンと来たみたいだ。
もちろんひなさんのこともフォロワーで知っていた。
さすが大きなイベント、地方からたくさんの人が来て同じ推し仲間に会えるなんて。
話を聞くとれんさんも初めてのイベントらしく一人で来たみたいで明日も参加するので良かったら一緒に回ってくださいってことになった。
他に企業なども回りある程度買い物が終わったところで一日目のコミコミも終わり放送が鳴った。
あたしたちはまたみんなで拍手をしイベント会場を後にした。
※今回の推しあるある
並んでるときでさえずっと推しを見続ける
SNSの名前をちゃんと真剣に考えればよかったと思う
名前を呼ばれただけで惚れ直す
フォロワーさんに突然出会う
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます