第6話 男女では、ここが、違うんですねえ
「結論的に、買えたんだろう?買えたのなら、良かったじゃないか。わざわざ、その話をしてくる意味が、わからない」
結論だけを知りたい男性脳には、酷な報告だ。だから、妻に、こうアドバイスをしてしまう。
「買えたのか。それは、良かったな。今度は、ギリギリの時間にならないよう、もっと早い時間に、買い物にいくべきだね」
男性としては、正しいアドバイスをしたつもりだ。
「あら、あなた。ありがとう。そうねえ、もう少し、早くいくべきなのかもね。あなたの、言う通りだわ。ありがとう」
感謝の一言くらいは、言われるべきだったと思うだろう。
が、感謝されることはなかった。
「そうね」
我慢ならない、男性。
「お前が言いたいのは、そういうことなんじゃないのか?買い物に、失敗したくないっていうこと、だろう?だから俺は、お前を心配して、言ってあげているんじゃないか。感謝も、ないのか」
「じゃあ、もう、良いです」
夫婦の会話は、こうして、落ち着いていくという。
このとき妻には、言ってはならないことがある。
「あなたは、私のする家事を、手伝ってくれるわけね。もちろん、それはそれで、良いけれど。あなたのレベルでも、手伝いたい気持ちがあるんだ。でも、そういうの、いらない。良い意味で、ありがた迷惑」
これに、男性は、果てしなく沈む。
「じゃあ、悪い意味でなら、何なんだ?」
男性は、世界の終わりを見たように、傷付きやすくもなっていくだろう。
では、女性はなぜ、不慣れであっても努力をし、掃除に洗濯に力を注いでくれる男性にたいして、文句を言ってしまうのだろうか?
女性のこの文句に、秘密があったのか?
「そう言ってくれるのは、良いんだけれどさあ…。ほら?まだ、少し、汚れがあるじゃないの。役に、立たないわねえ。最初から、手伝わないでよ。これじゃあ、あなたにG PSでも付けて、見張るしかないのかなあ?」
「…手伝うからさあ」
「寝ていて、良いよ」
「ちぇっ…」
「あ、本当に、寝ないでよ!牛かよ」
良かれと思った職務が否定され、家庭内の身分保障が剥奪され、せっかくの助力も否定され、男性は、カチンともきてしまう。
「なぜ、こうしたいき違いが、起きてしまうのか?」
脳機能の話をすれば、こうした差が生まれてしまうのも、わかりそうなものだ。
男性と女性を分けて説明するのも、時代遅れのジェンダー・ギャップ論になってしまいそうだ。
けれど、こうして、生物学にはっきりとした違いもあったので、知っておいても良かったのでは?
せっかくなら、説明しないわけにはいかなかった。
男性の脳と女性の脳を比較すれば、見えているものが違った。ここに、何かの秘密があったようだ。
まず、脳の働きの違いを知らなければ、ならないだろう。
人間の脳は、左右に、わかれる。
このうちの左脳は、考える脳だ。左脳は、言語や計算といった論理的思考を、司ってくれる。
これにたいして右脳は、感じる脳だ。右脳は、空間把握や美術、音楽の機能を司ってくれる。
女性は、その左右の脳が、良く連携していた。
左右両方の脳をつなぐ、脳梁という神経繊維の束が、男性に比較して、20%ほど太いそうだ。
「それ、男女差別っぽい話?」
いや…。
そういわれてしまうと、この説明が役に立たなくなってしまうので、注意。
決して、男女を差別するのではない。男女を区別して考えてみることも大切ですよと、いうことだ。
女性の脳は、左右が良くつながりあっていた。左右の連携具合が、良くなったのだ。
そこで、女性は…。
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