「」
彼岸華
最終話
結婚しようと思った。
齢18にして、この人しかいないと思った。周りからも羨ましがられる、校内で有名なカップル。自慢の彼氏だった。結婚式は沢山の友達とお世話になった先生を呼ぶことまで考えてた。それは叶うことがなかった。
嫌われたのだ。
彼は最後に、「嫌いになってしまった。今までありがとう。」と言い残して帰った。突然だった。他に好きな人ができた訳では無い、嫌われてしまったのだ。こんなにも、こんなにも、好きなのに。
楽しかったなあ。
一緒に勉強して、登下校はこっそり手を繋いで。お揃いのぬいぐるみをプレゼントしたら、大事にすると言ってくれた。あの笑顔が好きだった。もう、見れないのか。
一歩踏み出そうよ。
声がした気がした。そうか、一歩踏み出せば新たな人生が待っている。私は大きな一歩を踏み出した。輝かしい、新たな人生のために。
同時に、警笛と、乗客の叫び声が聞こえた。
「」 彼岸華 @maka7164
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