『歌姫』

 超速カタツムリの奏者の家の娘であり、クサリが仕える少女。

 成年になる十五歳の誕生日を迎える直前に家族を喪い、ある人物の裏切りと『大巻貝』によって故郷である超速カタツムリを滅ぼされる。

 奏者としてはとても才能に恵まれており、とても美しい少女だった。

 超速カタツムリが滅んだ後、『大巻貝』のスパイに捕らえられ公開処刑されそうになったが、数少ない信頼できる友人によって救出され以降は行方不明となる。

 行方不明となった後はとあるカタツムリのコロニーに保護される。現在は自身の従者と超速カタツムリを滅ぼす一因となった『裏切り者』の行方を追いつつ、祖国の再興と一族の悲願の達成を目指す。

 ……と、表向きはこのように悲劇の姫君のように語られているが、事実は異なり実は超速カタツムリが滅んだ諸悪の原因である。

 彼女は超速カタツムリの奏者としてのプライドから常に我儘ばかりの傲慢な娘として育った。

 奏者は男性よりも女性の方が才能に恵まれやすく、彼女自身も兄よりも奏者としての才能に恵まれていた、その事実も彼女を傲慢にした一因だったらしい。

 従者であり幼い頃から自身に仕え続けていたクサリへのあたりが強く、美しく優秀な彼を独占しようと幼い頃から執着を向けていた。

 その従者が自分に黙って見ず知らずの馬の骨と結婚した事に激怒、離婚するように命じ拷問がまいの折檻を行うがいつまでも屈さないクサリに痺れを切らす。

 その後、超速カタツムリの最高権力者である母親に権力によって従者の結婚をなかった頃にするよう訴えるが、呆気なく却下された上にクサリを自分の従者から外すと言われ激昂。

 激昂した彼女は奏者としての力を暴走させ、母親と彼女が来る前にとある報告のために母親の元を訪れていた兄夫婦を超速カタツムリの触手によって串刺しにしてしまう。

 母親は即死、兄は軽傷だったものの兄を庇った兄の妻は瀕死の重傷をこの時に負う。

 その後兄夫婦を逃がそうとした兄の従者でありクサリの兄である青年も超速カタツムリによって殺害し、その後は暴君として超速カタツムリに君臨。

 クサリの妻である蛙水ルエカを超速カタツムリから追放し、クサリを監禁して自由を完全に奪った。

 しかし、夫を奪われ超速カタツムリから追放されたルエカはその後狩猟者仲間であり実は『大巻貝』のスパイであった蒲田の協力により実家から彫金道具一式を回収、即座に門外不出とされていた『刻む事で奇跡を起こす幾何学模様と文字列』を刻んだプレートを複数作成し超速カタツムリに埋め込むという小細工を行った。

 その小細工により超速カタツムリ内部で爆発が発生、その混乱に乗じた蒲田が単騎で城を制圧、『歌姫』は確保され、同時期に『大巻貝』から送られた軍の砲撃により超速カタツムリは心臓を砕かれ滅んだ。

 超速カタツムリの民たちの殆どがこの砲撃により死亡したとされる。

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