特殊な眼鏡により女子高生の制服の下がスケスケになった...大学受験どころではなくなった件

雲川はるさめ

第1話







特殊な眼鏡により女子高生の制服の下が...大学受験どころではなくなった件


俺の名前は山吹シンジ。現在高校3年生だ。

黒板の字がややボヤけるなぁと感じている今日この頃。ちょっとそろそろ眼鏡をかけないとヤバめかもと思って、俺は今にも潰れそうな個人経営の眼鏡屋にある日曜日に行った。自分でも、何故、その眼鏡屋に顔を出したのかと言われれば、今となってはよく分からない。足が自然とその店に赴き、右手が重たい入り口の扉をギギギと押してしまっただけのこと。

さて俺は、その胡散臭いお店で、ちゃちゃっと

視力検査をしてもらったのだが。

結果。やっぱしあんまり見えなかった。

少し前まで両眼1.5あったよーな気がする

視力は、受験勉強のし過ぎか両眼で0.3まで落ちていた。思えばここ最近、勉強勉強で寝不足だった。疲労と目の酷使による視力低下。

どおりで、黒板がよく見えないわけだよ、と

思った。目つきの悪いがさつなおじさん店員に、

「2週間もあれば、眼鏡渡せるからね、また来てよね」と人を追い払う様に言われ、俺は店を後にした。


この2週間後。俺は眼鏡を受け取りに行った。


その翌日、授業中に黒板を見るため早速、作り立ての眼鏡をかけてみた。そしたら、

俺は大変な事に気が付いた。


「ヒェッ.....!!!!」

見え過ぎる....!!


黒板はよく見える。古典の先生の小さい平仮名まではっきしと。

板書は全くと言っていいほど、

問題ない。しかし、別の問題が浮上した。

これは、まさに、特殊スキルだと思った。

隣にいる女子、だけじゃない、クラス中の女子生徒の制服の下、透けて見える....!!!


あくまで下着まで。

幸いにも、その先はない。

しかし、最早コレは由々しき事態だった。


あわわわ...


気付けば俺は。

鼻血を出していた。


慌ててティッシュで押さえたら

直ぐに止まったが。



俺はどーやら。眼鏡のせいで、「透け透け」の能力を得てしまったらしかった。しかし、この特殊スキル、見たくない男子の制服の下まで見えるあたり、困りものだった。

それにしても。


女子の制服の下が、薄ぼんやりと見えてしまい授業どころではなくなっていた。最初は俺、この状況をとかく喜んでた。

成人男性向けの雑誌をコンビニで買って、それらをニヤニヤしながら閲覧し、更に、その先の本の隠し場所に頭を悩まさずとも写真の世界ではなく、現物として

見ることができるのだから。


そんなある時、どーしたことか鼻血が止まらない俺を

数学教師のヤマちゃんは心配してくれた。


「また鼻血か?お前、何かの病気じゃないのか?」

「あ、や、ややもすれば止まると思います汗汗」


ダメだ。

どう頑張っても授業に身が入らないと思った。

俺は一年の頃から

国立大を目指していたが、この眼鏡のせいで勉強に身が入らない。

このままではガチでヤバイと思った。


そこで俺は

保健室登校して自習を試みたが、ラスボスがいた。


健康体の俺は、すっかり忘れていたが、

保健室の先生が滅茶苦茶美人で巨乳だった。

そんな訳で

此処でもヤバかった。


保健室のクリーム色の床を俺の緋色の鮮血が染めた。(鼻血


どーにもならなくなって、俺は

仕方なく特殊スキルを手放すことにした。

その眼鏡を外した。代わりのメガネを調達した。

これで授業にとりま集中できると思った。


不思議な眼鏡の恩恵に預かり、

俺はかなり、

いい思いはした。だが、おかけで、


センター試験の点はガタガタで

狙っていた国立大の医学部医学科にはいけなかった。


浪人を余儀なくされ、予備校生活。

親にはこっぴどく叱られた。

予備校はお金がかかるからだった。


三浪して漸く国立S大の医学部医学科に

入学できた。

ぶっちゃけ。そっからも大変で。

俺は膨大なレポート提出と難しい試験と、

厳しい病院実習と。それらを塾講師のアルバイトをしながら医者になるため日々、ひたすら努力し、苦しい勉強やテストに耐えた。


結局俺は。


国家試験を無事通り抜け、

内科の先生になって今、大学病院に勤務している。


まぁ、分かったことは

努力(勉強すれば、

とりま、透け透けのスキルがなくても女性の身体を見る事は可能だってこと。


聴診器を当てつつ、

昔の自分を回想した。

「異常はありませんよ」

「よかったですぅ」


「山吹せんせー、次の患者さん呼んでいいですか?」と看護師。


「うん」


あの色々見え過ぎたメガネは、俺の机の1番上の引き出しの中にしまってある。てか、封印してある。


ちなみに。

今、俺がかけてるメガネはチェーン店で、

作って貰ったレンズとフレーム合わせて40000円程の代物だ。


特にかけてても看護師のナース服の下が、

見えちゃうなんて事はない訳で。

当たり前だが、近視を矯正するための何の変哲もない眼鏡だった。

それで良かった。ただの眼鏡でいいんだ。


もし、万が一にも、看護師や見舞客の服の下があれやこれやと見えたら、

それこそ仕事どころではなくなるから、な。


あの胡散臭い眼鏡屋は今も営業している。

この前、ふらっと何の変哲もない眼鏡をかけて

何食わぬ顔で顔を出した。

あの、がさつで愛想の悪いおじさん店員が、


「どーですか。あの眼鏡の見え具合は?」


と不気味な笑みを浮かべて聞いてきたので、


「見え過ぎて困りましたよ」


「そーですか、それはそれは結構なことで」


「もう、かけることはないんですか?

どーやら今、かけてるやつはウチで作ったメガネじゃないですね」


「内科医になった私には。

特段、あの眼鏡は。喉から手が出るほど欲しい眼鏡じゃなくなりましてね」

「あ、でも大切に保管してありますよ」


「そーですか、それはそれは結構なことで」


そんな会話を終えたところで、

俺は寒気を感じ、大慌て店から出たのだった。

このあと。突風が吹き荒れ、

何か嫌な感じがして振り返ったら

眼鏡屋が消えて、そこには更地が広がっていた。


足早に帰宅後、机の引き出しのなかにしまっておいたはずの眼鏡は、柊木の葉っぱに

なっていた。


思わず持ち上げると、柊木の緑色の葉の部分が映画のスクリーンみたくなって、

俺にこんな映像を見せた。


見え過ぎる眼鏡を使い続けている俺の姿。

街中で綺麗な女の身体を目で追っていた。

医者にもなれずに、やがて色に狂い舌を噛み切って自殺していた。


そこまでで、映像は終わり、

俺の掌から柊木の葉っぱがフッと消えたのだった。


























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