第11話  夜明けの決意

「私と旅に出よう、ハル」


「……は?」


突拍子もない提案に、俺は顔をしかめた。


「いやいや、俺は学院の生徒で」

「《薔薇喰いの剣》について調べていたんだろう? それならもう手に入ったのだし、ここにいる必要はない」

「そうかもしれないけど」


「それに、エドガー・ガランドだけが動き出しているとは思えない。私とキミで、世界を救う」


「……いやいや、だから」


「世界は広いぞ! それに人間の一生は短い! 旅に出よう。ユビニウムがそうだったように。人を守り、国を守り、世界を救う。どうだ?」



相変わらずの強引さと、話の聞かなささだ。

だけど、俺は「悪くないかもしれない」と思ってしまった。



「わかった。救おう。俺、全然魔術の腕とかないけど」

「私が教える。誇るといい、偉大なる魔術師ユビニウムの秘術を乞えるまたとない機会だ!」


彼女と行けば、本当に世界も救えてしまいそうだ。

でも、その前に。


「血が足りないんで、ちょっと休ませて……」

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