第14話  死ねと言う


誰を、信じれば良いのか?

誰に相談をすれば良い?

先輩・同期に話を聞いてもらうことが一番、良いと思うが

会社の面接あたりから視線を感じ始めていると思うふしがあるので

会社関係の人には話したくない。


自宅まで歩いていると


ピロロン、ピロロン、ピロロン


電話がかかってきた


登録していない番号からの着信だった。

俺は、怖くて電話に出ることが出来なかった。

しばらくして、着信音が消えホッとしたのはつかの間ですぐに

電話がなり

また、俺は着信拒否を数回くりかえした。


なんで、こんなに何回もかけてくるんだ

急用なのかそれとも嫌がらせなのか

今の俺は嫌がらせとしか考えられなかった。


しばらく歩き元アルバイト先を通過しようとした時に

駐車場から爆音が聞こえる

バイト先の店長の車のエンジン音が響き渡る


店長に見られたくないのか分からないが俺は小走りをして通り過ぎようとした。


フォーン

クルマのクラクションが響いた。

「どうした?何回も電話したんだけど」

すみません、知らない番号だったのでと言うと

「たしかに!社会にでて丁度、辞めたいか悩むんじゃないかなって」

「なんか痩せた?」

ちょっと、仕事が忙しくて

「大手企業は大変だ、明日、休みだろ」

「隣乗れ」

相変わらず、強引というかなんと言うか

でも、俺は少し気が楽になったことも確かだった。

この人には嘘がつけない

と言うか嘘をついても直ぐに見抜かれてしまう

きっと、嘘をつく事が嫌いと言ってるだけあって何でも正直に話してしまう

そういう人柄もあって人間関係で辞める人も居ないし

と言って優しいだけではなく厳しいこともその場で言う人だった。


「はい!ついた!」

ものの一分くらいだろうか

そこは、バイト先の隣の隣のファミレスだった。

「休憩に行けなくて、違うところが良い?」

大丈夫です。俺、今日飲み会だったんで

「なるほど!」


ファミレスの店員に席を案内され着席をした。

「仕事は?大変?」と聞かれ正直に大変ですと答えた。

話すのも聞くのも上手く俺の心がどんどん澄んできた。


俺は、店長に家まで送ってもらい

家の鍵を刺した。

それと同時に「死ねと言う」

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