第13話 視線
入社してから約一ヶ月が過ぎた頃からだろうか
また、視線を感じる様になってきた。
先輩とも同期ともそれなりに話せるようになり
慣れてきたからなのかどうなのか分からないが確かに視線を感じる
特に帰りの電車内は異常に感じる
恐怖すら感じる程の視線
でも、誰が俺の事を見ているのかは分からない
分かれば文句の一つや二つ言えるのに言えないからストレスが堪り
食欲も無くなっていき痩せ始めている
思い返せば約1年くらいこの視線と付き合っている事になる
さすがに警察に相談したいが誰が見ているのかさっぱり分からない
確証が無いし自分の妄想だと言われたらそれで終わってしまう。
どうする事も出来ないからいつもの様に会社に行き仕事や研修を受ける日々が続いた。
5月14日(金)までは
いつもの様に金曜日は飲み会がある
この日は、疲れていた事もありお酒の周りが早く感じた事を覚えている
ただ、大学の時なら酔うレベルでは無いので頭の中に感嘆符が並んでいた。
先輩に酔いが回る前に帰りますと言いに行き
俺は、居酒屋をでた。
会社から居酒屋までは徒歩3分くらいなので直ぐに駅に着き電車も待つことなく乗れた、ただ座れなかったのが痛手だった。
俺は電車の揺れで少し気持ち悪くなっていき
途中下車しようと思ったが丁度、俺の前の人が降りて座る事ができた。
ホッと一息つけるかと思ったが眠気が襲ってきた。
寝たら、終点まで行ってしまうと感じた俺はヘッドホンのボリュームを上げて眠気が吹き飛ぶ様な音楽を再生した。
何とか電車から降りる事ができた
電車の扉が閉まる音楽なっている今にも閉まる頃だろうか
突然、後ろから突き飛ばされた。
赤い洋服を着た女性に
終電も近いから慌ててしまったのかと思ったが
違った、
なぜ、気がついたかと言うとスーツのポケットに破かれた紙に
「しね」と書かれたものが入っていたからだ
俺は、この日を境に人に対して不信感を覚える様になった。
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