五話 夜の誘惑/『▅▅▅』

「.....さあさ!こっちだよ!」


時間は分からなかったが、廊下の窓からチラリと見える外はすっかり夜だった。ボクはまた拉致されてしまった。


「分かってるって.....もう、押さないでよ」


ボクは、街のような場所の中にあるいかにも高級そうなホテルに招待、いや、拉致されていた。


その最上階にエレベーターを止め、一室に案内された。


「ここだよ。ここが僕のおうち。気付いたら僕と母さんはここに居たんだ。」


ガチャリとドアが開く。


部屋の内装は煌びやかで、フカフカそうなとても大きなベッドがあった。いかにも絵本や小説の中で見た高級ホテルそのものだった。


「......すごい......。」


思わず感嘆の声を漏らす。


「そうだろう?僕はキミをここに連れてきたかったんだ。」


「ねぇ、ヒューゴ。聞いてもいいかな......?」


「ん、なんだい.....?何でも聞いて?」


「なんでヒューゴ脱いでるの????そしてここどこ..........?????」


ヒューゴはサッカーユニフォームのような服を脱いだ。痩身だが筋肉質な上半身が現れた。肩甲骨まである長い髪の毛がサラリと揺れた。


「なんで脱いでるのって?そうだね......生まれて間もないから難しい事は分からないけど、僕はキミとここで寝たいって思ったんだ。僕は気付いたらこの部屋に居たからね。」

「うん、それで?」

「でも、何故かこの姿の方がキミを感じられる気がしてね.......。うん、それと同時にキミにはバスローブを着て欲しい。」

「うん、うん。それで?」

「僕の手でそのバスローブを脱がせる事。それをしたいんだ。」

「うん、うん、うん。それで?」

「キュルル君は嫌がるかなあ、それとも嬉しがるだろうか......そんな事を想像しながら、キミをここに連れてきた。」


屈託の無い笑顔をボクに向けた。


「(コイツは......ダメだ......モノホンの変態だ.......アクジキなんかよりも圧倒的にヤバいよ......)う、うん。なるほどね」


「ああ、それと........ここが何処かという質問だね。ここは僕のおうち。さっきも言ったけれど、気付いたら僕と母さんはここに居たんだ。」


..............


ヒューゴとボクは、大きなベッドに座りながら喋っていた。ボクの名前や、ヒューゴの憶えている事等、喋っている内にこの子は案外『母さん』にさえ触れなければ良い子なのではないかと思ってきた。あと変態な部分に目を瞑れば。


......多分、この子は人間ではない。でも、ボクを攻撃する意思は無いようだ。


「........そういえばさ、『母さん』の名前はなんて言うの?」


「母さんの名前はキャサリン。キャサリン・ヴィルヘルム。今はボクも母さんもヒトではないみたいだね。.......」


ヒューゴが少し悲しそうな顔を見せる。


....ヒューゴはセルリアン.....なのだろう。手からセルリウムの紐が現れる所を確かに見た。


「僕は確か、母さんとサッカースクールに行くはずだったんだ。で、気付いたらここに居た。何度も夢かと疑ったが、夢ではなかった。そして、遠くで強く惹かれるような気配を感じて、そこに行ったんだ。そしたら、その気配の主は......キミだった。」


ヒューゴがボクの顎を手で掴み、クイとする。相も変わらずこの子はいちいち近い。近い上に半裸なので赤面してしまう。それを振り払いながら言う。


「......そういえば、聞いてもいいかな?『母さん』は今どこなの?この部屋には居ないけど」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「キュルルさんの匂い、こっちからします.....!!待っててくださいね、キュルルさん!!」


すっかり夜になった草原をイエイヌは走っていた。小屋に行ってもキュルルが居ないため、匂いを追尾していたのだ。すると、いつしかパーク内の旧ビル街に到着した。看板には『ジャパリ・ギンザ』と書かれてあった。


「こんな所があったなんて.......!こっちですね、きっと!あー、かばんさん、聞こえますか!!キュルルさんがまた拉致されました!!来てくれると嬉しいです!」


事前に持たされていたモバイルラッキービーストを通じて通信する。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「なに!?それ本当!?分かった!会議に来てる子連れて今すぐ向かうよ!!」


会議は終わりかけだった。結局エデンを倒す方向で決まったのだが、まずは空を飛べる子に『エデン』についてリサーチをしてもらう事になったのだ。


「あら、あの子また誘拐されちゃったのかしら?」


トキさんが言う。


「そうみたいだ!イエイヌちゃんから通信が入った!今からキュルルくんを助けに行く!戦闘が予測されるよ!来れるフレンズさんは来て欲しい!」


「誘拐犯を懲らしめるのは正義のヒーローとして当然よねっ!」

「私も守護けものの一人として、救出に向かいましょう」

「ヒトには興味がある!私も行こう。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「今とりあえず追ってるところです!!誘拐者が何者かは分からないですが......!!」


『了解!そのまま追って!無理しちゃダメだよ!』


そしてイエイヌは、ビル街の中でも特に目立つ高級ホテルに入った。ラッキービースト・インフラにより電気やガス、その他は完全に機能している。


『..............。』


そのイエイヌを怪しく見る目があった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『何か飲むかい?』

『じゃあ、オレンジジュースを......』


ヒューゴは冷蔵庫に入っている沢山のジュースを選んでいた。キュルルはベッドに座ったままだ。


『.....ん。これ、オレンジジュースだよ』

『ありがと。気が利くじゃん。』


まるで恋人同士のように、ヒューゴはキュルルの右隣に、ベッドにシワをつけながらぎゅむっと座る。互いの左右の臀部が触れ合っていた。雰囲気のままに手を繋ぎ合う。互いの温度が感じられた。


『.......ねぇヒューゴ、僕そろそろ帰らないと.....』


キュルルがオレンジジュースを机に置いた。下を見つめながら、寂しげに呟く。


『.......キュルルくん......でも今は.......』


がしっ。


『んッッッ!!??......んんッ!!!!!!????』


..........................


.........二チュリと糸を引き、互いの唇同士が離れる。ヒューゴがなし崩し的にキュルルをベッドに押し倒す。


『はぁ......はぁ.......ダメだって.....ヒューゴ......なにするんだよぅ.......』


完全にキュルルは熱を帯びている。


『そう言っても顔をこんなに赤くして.....僕とまぐわいたいのかな.....?』


ヒューゴはキュルルの腕を掴み、自由を奪う。脚を絡ませあって、これから起こる危ない予感を感じ取っていた。


『そ、そんな.....違.....♡』


ヒューゴはサイズオーバーのキュルルのバスローブをゆっくりと脱がせる。白い肌がオレンジ系統の光に照らされていた。


『......かわいがってあげるよ.......♡』

『ダメ.......ヒューゴ........そこは......♡』




「.......ふぅ...........。今日は妄想だけで満足してあげるよ、キュルルくん.......でも、いつか必ずキミを........」


既にキュルルが出ていき、一人になった部屋で横になりながらヒューゴは呟いていた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「えっ!?『母さん』は侵入者と交戦中!?それって!?」


『母さん』の所在をヒューゴに聞いたキュルルは驚くべき解答を得た。


「うーん.......イエイヌさん?っていうのかな?がホテルに入ってきてさ。君を追ってるみたいだったから、『母さん』を向かわせたよ。今は一階のフロントで戦ってるみたい。僕とキュルルくんのまぐわいを邪魔するなら帰って欲しいけど......」


うんざりしたような顔でヒューゴは言う。まだ色々聞きたいことがあったが、とりあえず一度着替えたバスローブを脱ぎ、畳まれてあった元の服を急いで着る。


「ヒューゴ!キミの気持ちは伝わったよ!!あと、こんな場所で寝たのも初めて!でももう帰らなくちゃ!!イエイヌさんが危ないなら!今日はありがとう!!楽しかったよ!また遊びに来てもいいかな?!おやすみ!!」


キュルルがバタリとドアを閉める。そこには静かになった部屋だけがあった。


「.......ありがとう、また遊ぼう、か........ふふ.......」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「_____________『わんわん牙斬がざん』ッ!!」


イエイヌは咆哮をプラズム具現で飛ばした。ガチリと音を立て、大きな牙が空間を裂いた。


『..........。』


それを身体をねじって避け、フライパンを持つ『母』が腕を縦に横に振り、こちらに向かってくる。


きっと、当たったらたいへんなことになります。絶対に避けます!でも、攻撃はしないと!


それを階段を登って逃げる。二階から一階には吹き抜けになっており、飛び降りようと思えば飛び降りる事が出来た。


「こっちです!!」


二階に登りきったあと、それを迷わず飛び降り、『母』はイエイヌが数秒前に登った階段を登る。


「.....『わんわん爪斬そうざん』ッッ!!!!」


『母』もそれに釣られて降りるが、そこには大きな爪のプラズム具現があった。後ろの壁や手すり、受話器にも大きな爪痕が刻まれる。


ザンッ!!!


『...............。』


爪の斬撃により『母』の右腕と左肩が落ちた。


「やりました!.....よし、かばんさんが到着するまでこの調子で......!!」


しかし、その油断が一瞬の隙を生んだ。セルリウム性のフライパンを持った左腕が、目にも止まらぬ速さで向かって来ていた。


バァンッ!!!.......


「イエイヌさん!!大丈夫!?」


しかし、それを弾いたのはキュルルの背から出る触腕だった。フライパンがくるくると飛ばされて床に落ちる。


「キュルルさん!無事だったんですね!良かったです!!.....うおっ!その力は!?」


「これは後で説明する!うんッ!!なんとか無事!!ついでに面白い友達が出来たよ!!......でもだからこそ、こいつとは戦いたくないや」


『.........。』


セルリアン、『キャサリン・ヴィルヘルム』のほぼ十割は、『ヒューゴ・ヴィルヘルム』の意志により動いていた。


しかし、彼らが普通のセルリアンと違ったのは"反逆心"だった。『エデン』に造られたセルリアンの二人は、自分を造った者、あるいはセルリアンたるものの宿命に反逆したのだ。


『.......あ、あ~。うん、これで大丈夫かな?キュルルくんは居るよね?』


「あっ!えっ!?このセルリアン、喋ってます......!!」


「これは.......ヒューゴ.....!?『母さん』を通じて!?電話!?」


『そうだよ。さっきぶりだね。単刀直入に聞くけど、キミにとってそのイエイヌさんは大事な人なのかい?』


ボロボロになったホテルのフロントで問答が交わされる。電気系統が損傷したので、今が深夜なのも相まって少し暗くなっていた。


「うん。失っては困るボクの大事な友達だ。......だけど、ヒューゴにとって『母さん』も大事な人なんでしょ?」


『.......本当に、キミに会えてよかった。その通りだよ......。だからさ.....』


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「.......僕達は仲直りしよう。さっきはいきなり母さんをけしかけてごめんね、イエイヌさん」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「あ、いえ!.....私も、あなたの大事なおかあさんの腕を......ごめんなさい!」


イエイヌさんが頭を下げる。思わず笑みが零れる。案外、ボク達とセルリアンは分かり合えるのかもしれない。


『そうか......今思えば、僕がキュルルくんを拉致したから......。本当に、申し訳ない。もし許してくれるなら、また遊びに来て欲しいな』


「うん!ヒューゴは普段ここに居るの?だったら遊びに来るよ!このジャパリパークという場所についても、色々教えてあげる!」


『キュルルくん.........。キミは本当に.......』


その後、ヒューゴと"キャサリン"に別れの挨拶をしホテルを出た。すっかり夜だったので星が綺麗だった。


「面白い友達が出来ましたね、キュルルさん!」


「ほんと!拉致された時はどうなるかと思ったけど、丸く収まって良かったよ~!」


「「「お~~~~い!!!!」」」


その時、ビル街の向こう側から沢山のフレンズが走ってきた。


「あ!連絡し忘れてました!!私が助けを呼んだんです!かばんさん達ですね!」


一際早く走ってきた人影はかばんさんだった。


「キュルルくん!イエイヌちゃん!!無事だね!!良かった.......こんな所で何があったの?」


かばんさんが汗を垂らして息を切らしながら問いかける。ここが研究所とどれぐらい離れてるかは知らないが、全速力で走ってきたようだ。


「ええと......ヒューゴっていう、ボクと同じくらいの歳の男の子にホテルに連れ込まれて.....。」


「「「「!?!?!?」」」」


周りのフレンズが皆顔を赤くした。


「ヒューゴはセルリアンでした。だけど、意思疎通も出来ますし見た目も普通の男の子です。なのでお喋りしたり、ベッドで寝たりしました。母親のセルリアンも居ました」

「じょ、情報量多いなキミ!!ええ!?何!?え!?」


かばんさんが顔から火が出ようとする勢いで顔を赤くする。


「あ、でも.....!何だかんだあってヒューゴとは友達になれました!.....結構優しくしてくれて、案外ボク達は相性良いのかもなあって」


「えええ!?友達になっていいのそんな子!?というか優しくしてくれてってナニ!?ナニを優しくされたの!?相性良いってナニの相性!?つがいになったの!?」


「ち、違いますよ!!でもま、まあ.............ヒューゴなら.............」


つい顔が赤くなってしまう。別にそんな気は無いのに、ヒューゴが脱いだりするから.......


「なんだあ~?ヒトとセルリアンのつがいかあ?面白そうじゃないか~!!」


ツチノコさんが笑いながら肩を組んでくる。


「ちょ、ツチノコさん!からかわないでよ!ヒューゴとはそんな関係じゃ.....!!」


「キュルルさん。相手が何であろうと、好きになるのは悪いことではありませんよ!自分の気持ちに素直に向き合うことが何よりです」


オイナリサマも顔を赤くしながら必死に普段の様相を取り繕おうとしている。


「ちょ、オイナリサマまで....!!もー!!ヒューゴとは!!た、だ、の、と、も、だ、ち!!」


「うむ。ヌルいな!!好きな相手ならセルリアンが相手だろうと突き進むべきだ!!壊さん勢いで愛してやれ!!」


「だ、ダイアウルフさん.......はぁ.......ボクもうどうすれば.......」


もはや笑いが出てくる。ヒューゴ、ごめん......なんかボク達勝手につがいとして周知されちゃいそうだよ........


「.......そういえば先程母親のセルリアンも居たと言っていたが、ヒューゴとやらをその場で産んだということか?」


キングコブラさんが問う。良かった。マトモな人居た。


「彼が憶えているのは、自分と母親がサッカースクールに行こうとしていた事だけだそうです。ヒューゴは、まるで召喚するように『母さん』を出せます。.......でも確信はないですが、あれは確かにヒューゴの母さんです。」


「サッカー?ああ!かばんが昔教えてくれた球を蹴る遊びか?アレは楽しいからな、よく憶えているのだろう!」


ヘラジカさんが言う。


「.......待って、サッカースクール......!?......そんなものがある時代って、一体いつの時代なんだ!?........ちょっとキュルルくん、そのヒューゴって子に会わ......」


かばんさんが言いかけたその時だった。


「皆、大変だよ!!帰ろうとしたら.....!!バリアみたいなのがあって、この街から出れなくなってる!!」


ジャガーさんが急ぎ足で走ってくる。周りに居たフレンズがザワつく。


「......みんな、行くわよ!」


ハクトウワシさんがみんなを連れて出口に向かう。この街は『ジャパリ・ギンザ』というらしい。不思議な名前だ。


「.......なによこれ!!もう!!通しなさいよ!!」

「落ち着くんだチーター!必ず出口はあるはずだ!それを走って探そう!」


チーターさんが必死にバリアに攻撃するが、ビクともしない。


オイナリサマが呆然としながら言う。


「.......これは、恐らく結界の一種です......。それも、セルリアンの共鳴バリア......を反転させたもの。」


続いてフォッサさんも報告する。


「反対側もダメだったよ!!手をついて一周回ったけど、完全に囲まれてる!広さは大体半径500mくらいの円の形だね!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「アレは.......!?何......!?」


アクジキは、数キロメートル離れた小屋からも見える薄い虹色のドームのようなものを見ていた。あそこは確か、ジャパリ・ギンザ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

同時刻、かばんの研究所にて。


『『『『..........!!!』』』』


「みゃー!!みゃみゃみゃー!!!」


ぱっかーん!!


「博士!そっちに行ったのです!任せるです!」

「任せろです!」


ザンッ!!


「プレーリーさん!あのセルリアン孤立してるッスよ!一緒に行くッす!!」

「任せるでありまーす!!どおおおーん!!」


ばっかーん!!


「ワニズ!くたばったら許さへんで!アンタらとはまだ喧嘩し足らんねん!....しっかしなんやねんこのセルリアンの量は!もうお腹いっぱいやわ!」


「そっちこそメゲるんじゃないよ!!まだまだ居るよ!!気合い入れな!もうすぐでゴリラの親分も来る!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

.......すると、この円の反対側から入って来たのか、人型のセルリアンが歩いて来た。筋肉質で、髪をオールバックにしている男性のような。全身紫色なので分からないが上も下もインナーに見えるものを着ていた。何よりの特徴は、肘から先が巨大な"槌"のようになっているところだった。顔の中心に小さく目が一つあり、それに従っていくように赤や黄色の模様が走っていた。


『......強い輝き、弱い輝き、輝き、輝き、輝き.........。いずれにせよ、ここでオマエラの輝きを集められれば........"奴"に勝てる可能性も出てくる』


"奴"とは誰だ?.....しかし、"ヒト語"をここまで流暢に喋るセルリアンは初めて見た。....ヒューゴを除いて。『リサ』でさえ片言だった。しかし、このセルリアンへの嫌悪感は凄まじかった。


『『『『『...........。』』』』』


それよりも驚いたのは、ソイツが率いているセルリアンの数。よく見るセルリアンや、全く見たことがないセルリアンも居た。


「なんだアレは......!?『ハードライト』『D-TYPE』『ファニー・ボンバー』『ナイトメア』『憑喪』『FI-エレメンタル』......分かるだけでこれだけ居るぞ!?しかも皆S級じゃないか!!おかしい!統率が取れすぎている!!」


あのかばんさんが、焦っている。他のフレンズ達も皆愕然としていた。


オイナリサマが口を開いた。


「.......私達は......。」


『さあ.......開戦だア!俺は『モノ』!!!エデン様が初めに造ったセルリアン!!』


「......地獄に、閉じ込められたのかもしれません........。」


守護けものであるオイナリサマでさえ、冷や汗を垂らしていた。


場所は閉じられたビル街。セルリアンとアニマルガールの大戦の歴史に残る『ジャパリ・ギンザ襲撃事件』。今日という長い夜は、まだ始まったばかりだった。



六話に続く。





























































































































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