第6話

さて。

時流れて、

問題の日曜日がやって来た。


マヒロは、本当は一緒に行きたいけど、

色々と準備があるから現地集合がいいと

言い、俺らは遊園地にそれぞれ別々に

行くことになった。


午前10:25分現在。

遊園地の入り口には、

藤島と林ユーコが待ちくたびれた、と

いう感じで俺らの到着を待っていた。


「なんだよ、シンジ!おまえ、ひとりか?

恋人はどーしたんだよ?まさか、あれか?

逃げちまったとか...?」


「あはは!前から思ってたけどー、シンジくんてー、女の子と付き合えないかわいそーな男だよねwwwww」


林ユーコも藤島も、二人して性格が悪い。

似たものカップルだった。



俺は唇を噛み締め、黙って耐えていた。


「どーする、シンジ?ダブルデート、

お開きにすっか??おまえの男の恋人は

来ないみたいだしさ...もう、10時40分になるし、、、」


「ああ...」


俺が頷きかけたその時だった。


帽子を目深に被った茶髪のロングヘア女の子が

藤島に声をかけてた。


声掛け後、彼女は帽子をぱっと

取った。


「おまたせですぅ」


「追っかけを撒くのが大変で、はあはあ、

なんとか逃げてきました。

あと

さっき、帽子を買ってたからおそくなったんですぅ」


「え?」


「ええ??」


パッと藤島が振り返り、彼女を二度見していた。


勿論、俺も。



林ユーコは、


「うわぁ...!」と一歩も二歩もうしろに退いた。



それもその筈、



目の前には。


日本一の美人女子高生コンテストに優勝し、

アイドルデビューした、マヒロってなまえの

国民的アイドルが立っていたから。









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