第3話

ある日の夕方。

タイムセールに弟のマヒロとともに顔を出したら、クラスにいる大嫌いなイケメン藤島と顔を合わせることになった。


しかも、だ。


相手は学年一のモテ女であるが

性格最悪の林ユーコを連れていた。

腕を組み、イチャイチャしながら色々とショッピングカートに乗せられたカゴに商品を投げ込むように入れていた。


俺は気づかないフリをしようと思ったが、

当然、俺だとすぐに気づかれた。


「よぉ、山吹!隣にいるイケメン誰なんだ?

随分と仲良さげにしてるじゃないか?

もしかしてあれか、ボーイズラブか??

気持ち悪いなオイ!」


「付き合ってるとかじゃないよ...」


藤島は俺の言うことを聞かなかった。


「あー、そーかそーか!分かったよ。

俺みたく女にモテないから、男に目覚めちまった訳だな!」


「いやだからな...こいつは...」


「親の再婚でできた、義弟だが...」と

言わんとしたのに、


マヒロが何を思ったか、とち狂ったことを

言い出したんだ。


「おう!俺ら実は付き合ってるんだ...!

おい、おまえ!!今度、ダブルデートしようぜ」


「目にものを見せてやるからよ.!」


「ダブルデート??目にものを見せてやる?

だぁ?」


「おい、マヒロ...!」


「今の話は忘れてくれ、藤島!

こいつは、最近、親の再婚でできた

俺の弟なんだ」


「フン、おもしれぇ。その目にものとやらを

見せてもらおうじゃねぇか!

お望み通り、ダブルデートしてやんよ。

そうだな、今週の日曜日、場所は遊園地、時間はそうだな、午前10時半くらいでいいか?」


「うん、いいよ。思い切り、ビビらせてあげるから覚悟しとけよ」


マヒロは藤島に向かってそんな言葉を吐いた後、、

「行こう、兄貴」


と俺の腕を取った。






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