第3話 残り2日

 今日はたまたま下校が早い日だったので私が元々欲しかった「凡才探偵が今日もゆく!」という本を買いに行く。


 その本は面白いと評判の本な上に近くには本屋が一つしかない。


 私の住んでいる市には本屋が一つで、隣の市には本屋がたくさんある。私が住んでいるところではあり得ないぐらいのでかい本屋もある。


 本屋に入り本を色々と見ながら歩きまわる。


 案の定、私の欲しかった本がなかった。最後の手段、店員さんに直接本な訊いてみる。


「あの……凡才探偵が今日もゆく! って言う本ありますか?」


「ちょっと見てみますね」


 店員さんは歩き出したので遅れないように私もそれについていく。それらしいところに店員さんは行ったがお目当ての本は見当たらない。


 店員さんは本を取り出してはしまい、取り出してはしまい……を繰り返す。店員さんは頑張っているが、お目当ての本は見当たらない。


「ちょっと無さそうです……。申し訳ありません」


「分かりました」


 欲しい本だけど無いものはしょうがない。


 すると、どこかで他の本を見ていた母がやってくる。


「あった?」


「無かった」


 と言うと母は落胆した様子を見せる。


「そっかぁ。他の店行く?」


 めちゃくちゃ欲しいけど遠くの本屋に行ってまで欲しいものではない。


「行かなくて良いよ」


「良いの?」


「うん」


 と言いながら頷く。


「他に欲しい本はある?」


「無い」


「じゃあ帰る?」


「うん」


 私と母は何も買わずに本屋を後にした。


 ーーーーー


 2日後、欲しかった本を買うことなんて出来ないことを知った。

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