カレーパン
「で、あなたに出会ったの」
「俺にか」
「色のない景色で出会ったあなたに」
「街角でパン咥えて突っ込んでくるのなら、まあ、漫画みたいな表現でいいなとは思うけど。おまえ、ご飯茶碗に箸持って俺に突っ込んできてるからね?」
「朝はご飯派です。昼はパンかカレー」
「色のない景色か」
「カレーパン。今日の昼はカレーパンにしよう」
「俺には色のある景色だったよ」
「え、カレーパンが?」
「いや、なんでもない」
あなたのいるところだけ、色があった。色彩豊かだった。それは、会っても変わらない。あなたがいる。それだけで、世界に色が付く。きれいに見えるようになる。
「よし。カレーパン買いに行くか。美味しそうな色のやつを」
「行きましょう。こんがり焼き色カレーパンを探しに」
色のない景色、夢と幻想、カレーパン 春嵐 @aiot3110
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます