第5話 手平町民大会編⑤~VS陣ライガ~
開会式を終え、予選を終え、アタシは準決勝に進んだ。
展開早すぎだって? 予選からだらだら書いてたら話進まないでしょ!?
とりま、予選をどんな風に戦ったか簡単に話そう。
あのストーカーヤンキーの件でアタシがどう戦うかある程度は知っている人達がチラホラ居た、その人達はネコノコバンの固有スキル・小判の盾を発動させない為に蓄積ダメージを一気に貯めないようにチマチマと攻撃をしてきた。
まあ、対策されるのは解ってたからアタシは事前に購入した腕に装着した攻撃スキル・ロケットパンチ(その名の通り巨大グローブ型ミサイルを飛ばすスキルです)で応戦、相手さん方はアタシが攻撃してくると思わなかったらしく殆どが困惑しお陰様で勝つことが出来た。
今、アタシは与えられた控え室で準決勝に向けてムギに付けるスキルを考えている。
準決勝の相手は、あの陣ライガ。予選の時のように簡単にいかない。
なにせ、陣ライガ、その双子の弟の陣フウガは雪野マフユ同様、天才的な操縦能力を持っている上に操るテノヒラロボの固有スキルが強力だからだ。
漫画版、アニメ版、原作にあたるアーケード版において陣兄弟は中ボスとして立ちはだかる強敵キャラだ。
本当はこんな最序盤に出てくるようなキャラじゃないのに、どうして出てきたのか不思議だけど・・・・・・、此処まで来たんだ、ヒバナの為に頑張らなければ!!
それに負けるのは絶対に嫌!!!!!!
――――――
一方、ホノオと戦う陣ライガもまた与えられた控え室でスキルを考えていた。
真剣な兄の様子にフウガは少し茶々を入れる。
「珍しい、兄さんが真剣にスキル選んでるなんて」
「アホ、俺かて真剣に選ぶときあるわ! それに俺と戦う奴は一筋縄じゃいけん相手や」
「そうですね。あの子、溫井ホノオさんやっけ?
眼鏡をかけたお嬢さん、溫井ホノオさんと同級生だという子から聞いた話では初めて半年も経ってないそうで」
「ほ~ん」
「でも戦いを見る限り、玄人同然の動きをしてはりますわ」
「ああ、俺も見たから知ってるわ。せやから、あれを初っぱなから発動するつもりで考えてるんや」
「ええ!? 兄さん、本気ですか!?」
ライガの発言にフウガは驚きの声を上げ、ライガはニヤリと本気やと笑った。
――――――
『レディースエンドジェントルメン!! 手平町民大会準決勝一回戦の始まりだ!! 実況はこの俺! ジン・キョーがお届けするぜ!!
先ずは選手の紹介だ!! ライトコーナー、ヤンキーとのバトルで素晴らしいバトルを見せた期待のルーキー!! 溫井ホノオ!!』
パッと照明がアタシを照らす、眩しいです。
凄い歓声に迎えられたけど観客席からヒバナ達の声援と共に「うううう~、溫井ホノオ! 雪野マフユに手の甲といえどキスをされたのを恨みます!」と桝ココミに似た声が聞こえるが気のせいに違いない。
『レフトコーナー、西日本では敵う者は誰一人いないと称される陣兄弟の兄・陣ライガ!!』
アタシ以上の歓声、ほぼ黄色い歓声が飛び交う中、陣ライガが現れる。
普段の時と違い、真剣な表情をしている彼に本気でアタシに挑んでくるのだと察した。本当はお手柔らかにと言いたい所だけど、それは無理な話、それにヒバナ達が居るのにだらけた試合をするつもりはない。
『両者! 準備はいいかな!? それじゃあ~・・・・・・、レッツダイブ!!!!!!』
ジン・キョーの掛け声に合わせて、シンクロダイブが展開される。
また意識が遠のくのを感じながら目を瞑った。
「今日も無事にダイブ出来た~」
【みゃ~】
「今回も宜しくね、ムギ」
「おいおい、戦う前やて言うのに悠長に自分のロボと会話かいな」
【ライガ! そうやって上から目線は良くないで! それで何度、対戦者と喧嘩になったと!】
「戦う前から説教は勘弁してや!」
【なら、ちゃんと挨拶しいや。お見苦しい所、見せて申し訳ない、自分、ライジンタイガーの虎徹いいます】
「陣ライガや、よろしゅうな。あと、実況者のジン・キョーは俺の叔父や」
雷神と虎をモチーフにしたテノヒラロボ、ライジンタイガーの虎徹と操縦者である陣ライガの掛け合いをテレビの中で見た事あるな~と思いながら、アタシも挨拶を返す。
「溫井ホノオです、宜しくお願いします。この子はネコノコバンのムギです」
【みゃっ!】
【此方こそ。嗚呼、ライガよりいい子やないか。ライガも見習え~】
「うっさいわ! お前は俺のオカンか! あのな、これからバトルする相手と仲良く・・・・・・ 『ライガ~、そろそろバトルを開始したいんだが・・・・・・』
「わわっ! 叔父さん、すまん!」
『さて、気を取り直して・・・・・・。両者位置について、バトルスタート!!!!!!』
――ビー!!
「虎徹! いくで!! 固有スキル・ビーストモード発動!!」
【がってんや!!】
試合が始まるとライジンタイガーは人型から獣型ロボへと変形し、雷を纏いながら突進してくる。
「嘘!? いきなり!? 脚部スキル発動! スピードローラー!」
【みゃ~!!】
スキル発動するとムギの足にローラースケートが装着される、それを使って素早くライジンタイガーの攻撃をギリギリの所で躱す。
一歩でもスキル発動が遅かったら場外に弾き出されるところだった、冷静に発動できたアタシ、ナイス!!
「ほ~、虎徹の、しかもビーストモードの攻撃を躱すとはな・・・・・・。本当に半年も経ってないバトラーとは思えないで、あんさん、何処かで隠れてバトルしとった?」
「・・・・・・・・・・・・」
前世でやりこんでました!! って言えねえよ!! 言ったら、頭おかしいと思われるは!! 絶対に!!
とりあえず、此処は黙って様子見しとこう。
「ふん、だんまりか。でもそんなの今は関係あらへんか。
溫井ホノオ! あんさんとは楽しめそうや! 全力で戦わせてもらうで!!」
ライジンタイガーが纏う雷が激しさを増す。
どうしよう、陣ライガに火が付いてしまったようです。
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